死句集

 殺せかし妻の首絞め秋きたる


 長雨ながさめにひたぶる濡れる轢死体れきしたい


 爪剥がれ裸身の肉は赤黒く


 肉片はバケツいっぱい晩餐会


 少年のひつぎに枯葉を友として


 音もなく溺死の未来を割り振られ


 夕闇の薄くにじんで子と死別


 草かおる原野はらのそちこち晒し首


 蛇をうろこかじりて息絶える


 恋慕うむすめいまでは眼を開けず

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