バター

 虎がぐるぐるまわっているうちにバターになる

 絵本というのは不思議な時空だ

 奇々怪々なそんな現象が

 当然のように起こる

 なんでバターになったんだ?

 そんな疑問を持ったのは

 後々になってのこと

 ぐるぐるまわっているうちにバターになるというのは

 なぜだか妙な説得力があった

 バターをたっぷり塗ったトーストの天国的な味を思い浮かべると

 バターになってこの世を去るのも悪くない気がする

 ぐるぐるまわってバターになろう

 ぐるぐるまわってバターになろう

 みんなで一緒にぐるぐるまわれば

 だれがだれだか溶け合ってわからない

 平和で柔らかなバターの世界

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