マイナス

 ぼくが3なら

 きみは4だね

 ふたりかけあわせると12

 12使徒よりも清らかな

 いちダースぶんの幸福が押し寄せてくる

 ぼくからきみをひいてしまうと

 そこはもうマイナス

 負数という極寒の世界

 本当はぼくは

 12のころからマイナスだったのかもしれないけど

 きみと一緒にいるときだけは

 正数であるような気がしていたよ

 いまのぼくがプラスになるためには

 マイナスをかけあわせないといけない

 4であるきみという正数ではなく

 死と呼ばれる極大の負数をね

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る