詩が守るもの

 詩はなんて役に立たないのだろう

 知識を伝えるわけでもないし

 物語のような魅力もない

 金には当然ならないし

 生産性なんてどこ吹く風だ

 想いだけしか取り柄はない

 着飾った言葉を詩と言い張り

 裸の言葉も詩と言い張る

 欲張りで怠け者な詩人たち

 枯葉みたいな言葉を吐き出す

 樹齢だけを重ねた場所塞ぎ


 でも詩のない天国と

 詩のある地獄なら

 地獄の方が生きる価値はありそうだ

 詩のない天国って

 本当に天国だろうか

 言葉を遊ばせる余地もないなら

 魂が泣いたときどうするのだろう

 なるほど天国の魂は泣かないのか

 幸せだね

 そんな魂には

 死んでもなりたくないな

 さあみんなで地獄に堕ちよう

 詩があるのなら

 怖くなんてないさ

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