冬空のようなぼくのネガティブ
十二のときの痛手からこっち
自分が嫌いでしかたないので
それからはもう
自分を貶め隔離するような裏路地しか
ぼくは歩けなくなってしまった
だれかが自分を褒めてくれる
その好意を
ぼくは疑い身をかわし
こころのなかで虐めつくす
相手はよかれと思って言ったことが
何故かしら当人を苦しめていると察して
戸惑いながら離れていく
意識によって自滅していく人々を
ぼくは慕わしく理解できる
でもネガティブな人間は
どんなに不幸な人間を前にしても
自分こそがこの世でもっとも暗い魂の持ち主だと
不可解な自負を抱いている
暗い人間は他人の暗さを理解できるけど
救い方はまるっきりわからないし
気まぐれな献身に身をやつしても
好きな人ひとり救えない
暗さと暗さをからめあって
もつれにもつれた糸を眺めて
ぼくはひとりで笑ってた
死人みたいに
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