遺された歌を聴きながら
ついに追いこしてしまった
十代の頃に憧れた
才能ゆたかな音楽家
彼の声と
つむがれる言葉がとても好きで
聴くたびにこころを揺らされた
季節とつがいになった叙情に憧れた
人は死に
年は過ぎる
そうしてどれだけ好きな歌にも
倦んでしまうときは来る
どれだけ好きだった人も
忘れてしまうときは来る
季節は移ろい
なにもかもが忘れられていくが
生きている限りは
どんなことも思い出せる
あおぎ見ていた人が死んで
どれだけ年数が経っても
歌は残る
歌声のなかの彼は
いまでもやはり年上だった
いまでも気高い歌い手だった
時は流れて
季節はめぐり
遺された歌にも
四季はおとずれる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます