第17話
「俺は納得できない。そもそもの原因は何だ?」
ファウストはクラネリアに問いただす
「それは僕のせいさ。魔法の実験をやってそれが暴発した。ただそれだけさ」
嘘だ。
彼女の言葉に何一つ真実はない。
だが、その場でその嘘を暴露した場合。彼女が全員から不信感を抱くことは明らかで何も言わないでいた
「詳しい作戦とかは明日にしましょう?ツクヨミも来たばかりだし。」
「そう…だね…うちはここのことクラネリアに聞きたいから部屋に来てもいい?」
「いいよ―それじゃ他のみんなは解散で」
それからクラネリアの部屋に行った
「どうして嘘をつく?魔法の実験で失敗したって…あれ嘘だよね」
「やっぱツクヨミは読めちゃうかー」
「?」
「…僕の魔法はね。未来予知。少し先の未来が分かる能力。」
「…え?」
「でもね?僕の一族は元々特異体質らしくてね未来予知なんて誰でもできたの」
「…それと魔法がどうつながる?」
「それは僕の意思に従って未来予知ができるってことさ。今まで見れなかった可能性の未来も」
「可能性の未来って??」
「君はパラレルワールドって知ってるかい?例えばこれからリンゴを食べる未来があるとして、もしもリンゴを食べずに違うものを食べていたらその先の未来は少しだけど変わるでしょ?」
「もしも…か。」
「そう。僕の魔法はもしもを複数見れる魔法横軸の未来をね。僕は試したんだ。君が僕の嘘に対してどういう返答を返すのかを。勿論、僕の嘘を暴露し他の6人と共謀して僕を殺す未来まで見たさ。でもそうならなかった」
「…」
「君を信用して話すよ僕のことを」
とある村に生まれたクラネリアと幼馴染のアン
僕たちはとても仲良しで
よく外や家で遊んでいた
僕とアンの両親が死ぬその日まで
僕とアンの両親は死んだと村長に聞かされた。
その様子は変だって思った、だって遺体にすら会っていない
有無を言わさず村長の養子に出されたクラネリアはそこで事実を知った
ーーー両親が生贄となったことを
その村では毎年神の怒りを鎮めるために生贄が必要だったとのこと
勿論子供だった僕はもちろんアンも知らなかった
その対象がアンと僕だったことも
勿論子供を生贄にするわけにいかない両親はアンの両親とともに贄となったこと
そう淡々と答えるアンに僕は抱き着いた
「もう我慢しなくていいんだよ」
そう言い聞かせた。
だが…これこそが僕の誤りであったこと。
あの後すぐに村を逃げればこんなことにならなかったことをクラネリアはうちに謝った
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