9月7日 -黒い日記-

今日は雨であった。


雨は憂鬱になってしまう。


私は精神を病んでいる。


いや、病んでいるらしい。


医者が言うには、私には他人への思いやりが欠けているみたいである。


何をもってしてそのような事が分かるのであろう。


私は人の痛みや悲しみを理解しているつもりだ。


少女は平仮名の練習をしているのか、紙を何枚も使っている。


紙だって限りがある。


この日記帳も裕福であった友人から譲り受けたものだ。


私は少女に少し遠慮をする事を教えた。


すると、濡れている庭の地面に文字を書き出した。


私は少女の執念に感服した。


今度、古紙を何処かから貰ってきてやろうと思う。


平仮名を書き疲れたのか、少女はもう眠ってしまっている。


少女の寝顔に、私の心は少し惹かれている。

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