第363話華音に新しい難題

都内選抜空手の面々と仲直り状態の華音は、学園長室で文科省の藤村と向かい合っている。

尚、吉村学園長、柳生隆、潮崎師匠も同席している。


文科省藤村

「まあ、大きな問題にはしないことにする」

華音は、頭を下げる。

「ありがとうございます、騒動を起こして申し訳ありません」

吉村学園長

「華音君が謝ることはないよ、あくまでも相手に非がある」

柳生清

「そこで頭を下げるのが、華音君らしいな」

潮崎師匠

「その後、仲直りか・・・それも華音だ」


文科省の藤村は、話題を変えた。

「ところで、華音君に少し勉強して欲しいことがある」

華音は、聞くしかないので黙っている。


文科省の藤村

「ところで、華音君は英語はどうだい?」

華音

「はぁ・・・何とか・・・」

吉村学園長

「そうね、常にトップから三位以内に」

柳生清

「奈良の実家にも外国人が何人も、長期滞在していたよな」

潮崎師匠

「東京の貿易商の祖父さんも、たくさんの外国語がペラペラだった」


華音は、藤村に質問。

「ところで、勉強とは?」


藤村が、華音の顔を真っ直ぐに見た。

「今のうちに、イタリア語、ドイツ語、フランス語を勉強して欲しい」

「読めて、話せる程度に」


華音の表情が変わった。

「え・・・マジ・・・ですか?」

少し動揺している。


藤村は、そんな華音に微笑む。

「オリンピックで要人警護を頼まれていると思うし」

「その時にも役立つ」

「それと、高校生親善大使で海外講演もある」


華音は、考え始めた。

「英語だけだと、足りないのかな」

「中国語も必要かな」


藤村は頷く。

「そうだね、いずれは中国語、できればインド語も」


吉村学園長は藤村に質問。

「そんなことを言って、政府は語学教師とかの対応はあるの?」

「そもそも高校一年生には、荷が重いよ」


藤村は頷く。

「それはお願いする以上は、準備済みです」

「東京外語大学から専門講師を華音君のお屋敷に派遣します」

「ですから、華音君の了承をもらわないと」


柳生清が、藤村に確認する。

「あのな、若い女は揉めるぞ、それはないだろうな」

潮崎師匠は、ククッと笑う。


藤村の表情も変わった。

「いや・・・若い女性講師、まずいですか?」


吉村学園長は頭を抱え、柳生清は天井を見るばかり。

潮崎師匠が華音の肩を叩くと、華音は肩を落としている。

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