第340話今西圭子と松田明美は、恥じらいも何もなく

全く前を隠すなどという恥じらいも何もない。

今西圭子と松田明美は、ザブンと大風呂に入り、そのまま華音の両脇に密着完了となる。


これには華音が抗議するしかない。

「あのね、これだけ広いお風呂なの、どうして、こんなに密着するの?」

「僕が身動きできないでしょ?」

「ということは、ゆったりするはずのお風呂が、そうでなくなるの」

「そもそも、男風呂だよ、それわかっているの?」


しかし、年増のお姉さまたちは、華音の抗議など、どこ吹く風。


今西圭子

「なあ、華音ちゃん、SPやるの?」

松田明美

「柳生清のおっちゃんが言っとったけど?」

今西圭子

「オリンピックやろ?」

松田明美

「まあ、凶器は持ち込めないから、徒手格闘になる」

「華音は何でもこなすからいいけれど」

今西圭子

「お子ちゃまみたいな華音ちゃんや、襲う人も意外やろな」

松田明美

「一度襲わせて、どうなるか見たいなあ」

今西圭子

「それが女アサシンになると?」

松田明美

「華音ちゃんの、女殺しの秘儀が見られる」


華音は、ここまで聞いて、面倒になった。

うるさいし、二人とも、密着が強いので暑苦しい。

「僕は出る、身体を洗う」

と、動くけれど、二人とも、なかなか離してはくれない。


今西圭子

「迫る女を無視するんか?華音ちゃん」

松田明美

「うちは、まだ満足しとらん」

などと、華音には全く意味不明の言葉を乱発する。


華音は動けないので、また文句を言う。

「ねえ、二人とも、何か僕に用があるの?」

「ないなら離して」

「学友も来ているし、先生も来ているの」

「立花さんとも、今後の話もしたいの」

「僕は忙しいの」


今西圭子は、ニヤリと笑い、華音の背中に腕を回す。

「あるよ、用事」

松田明美も同じような動き。

「マッサージして、あれ、病みつきになる」

今西圭子

「華音ちゃんが上手過ぎるから、いけないの」

松田明美

「ねえ、小娘相手にしても面白くないでしょ?物のわかった大人の女のほうがいいでしょう?」


華音は、本当に面倒と思ったけれど、年増二人のマッサージを断れなかった。

それでも、文句は言おうと思った。


「ほんと、二人とも、食べすぎ」

「こっちで再会した時から、圭子さんは3キロは増えた、全部脇腹についている」

「明美さんもひどい、3キロは同じ、ここのお尻のお肉、垂れてる」


しかし、お姉さまたちは、全く動じない。

今西圭子

「うん、この辱めがまた、いい刺激になる」

松田明美

「華音ちゃんのお叱りが、ゾクゾクって快感になる、それで病みつき」


華音は、「全く恥じらいのカケラもない」二人のうつ伏せの大きなお尻を、思いっきり叩きたくなっている。

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