第330話ドローン処理は柳生ヘリが無事解決、そしてまた別の危険

柳生事務所ビル最上階の大モニターは、渋谷駅上空の画面、群衆を写した画面、JRや私鉄、地下鉄各所のモニターからの画面を分割して表示されている。


特に女性たちが見ているのは。渋谷駅スクランブルの群衆。

シルビアはため息。

「ほんと、コスプレが多いなあ」

春香

「それを見せたがる、写真に撮りたがる、両方がオタクやね」

エレーナ

「胸の谷間を見せつける人、ことさらに脚を長く見せようとする人」

松田明美

「似合う人と似合わない人がいる」

今西圭子

「あれも年齢制限があるのでは、私はギリギリOK」

小島スタッフ

「うるさい!皮肉?」

小久保スタッフ

「明美も圭子も、そろそろオバサンでしょ?若作りはやめなさい!」


さて、華音はコスプレやコスプレ話に興味がないので、主に上空を見ている。

「ヘリが数台飛んでいる」

「でも、警視庁と、マスコミ、柳生事務所かなあ」

「ドローンはどれほどの精度で、ここから見えるのか」


その華音に小久保スタッフ。

「柳生のヘリに最新鋭の感知システムがある」

「よほどの妨害システムがなければ感知できる」


華音は、それでも真剣な顔のまま。

「感知だけではなくて、危険物の投下まで阻止しないと」

「難しいのが、どんな危険物なのか」


柳生事務所のヘリに乗る柳生隆から、交信があった。

「数台のドローンを発見、現在監視中」

井岡スタッフからも交信。

「交信アドレスを把握、そのまま通信解析に移ります」

所長の柳生清が続いて交信。

「警視庁ヘリに連絡済み、そもそも未許可なので飛行禁止のはず」


松田明美の顔が青くなった。

「危険を感じる、ただ飛ばすだけではないかも」

「禁止を知っていて、あえて違反行為を」


華音は、柳生隆に交信する。

「どうやってドローンの動きを止めるの?捕まえるの?」

柳生隆から、即座に返信。

「投げ網、それも目が細かいもの、網に絡めたら、即冷却他の処理、そして地上に落ちないようにカバーする」

井岡スタッフから交信。

「発信元アドレスと発信地を特定、場所は恵比寿の高層ビル、現在警視庁が向かっている」

「尚、現在は交信不可になっているので、発信元が困っているはず」

「危険物の投下も不可能、そのためのウィルスに感染させた」


その交信から10分経過。

柳生清から報告。

「発信者を逮捕、30代男性、過激思想の持ち主として警視庁が探索中の人物」

「ドローンは、全て回収済、今後は事後措置を行う」

「上空には他の危険ドローンは確認できない」


柳生清の報告で、お姉さまたちが「お見事」と肩の力を抜くけれど、華音はまた別の画面を見ている。

春香は華音の表情が、まだ厳しいままであることに気がつく。

「なあ、華音、何見とる?ドローンは終わったやろ?」


「あれ・・・危険・・・」

華音は、渋谷駅スクランブルの群衆の、ある一点を指さした。


シルビアの顔も厳しくなった。

「マジ?あんなところで?」


華音はいきなり立ち上がっている。

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