第141話極上フランス料理と幕の内弁当?

華音のお屋敷では、女性たちの、アロマオイルマッサージも終了。

書籍整理作業に使用したそれぞれの衣服は、全て屋敷にて洗濯、乾燥中。

そのため、全員が立花管理人が準備した浴衣にて、ディナーの席についている。


食事が運ばれてくる前に、華音が感謝の挨拶をする。

「皆さま、本日は、大変、ご苦労様でした」

「皆さまのご協力を賜り、しっかりと書籍整理を行うことができました」

「三田華音、心より、感謝申し上げます」

華音は、深く頭を下げる。


華音に続いて立花管理人が、挨拶。

「心ばかりではありますが、当屋敷として、お食事を準備いたしました」

「ごゆっくりとお楽しみください」


立花管理の挨拶が終わると、屋敷の従業員により、料理が運ばれてくる。


内容としては、フランス料理。


コンソメスープ

マダイの洋酒蒸しは、付け合わせにグリーンアスパラガス、舌平目の細切りパン粉揚げ。

羊のもも肉の蒸し焼き、付け合わせに温野菜、アピオスの空揚げ、クレソン。

サラダ

アイスクリームは富士山型。

果物は、メロン、葡萄。


飲み物は様々。

白ワインは、コルトン・シャルルマーニュ1999のもの。

赤ワインは、シャトー・マルゴー1994。

シャンパンもあった。モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨン1998。

また、紅茶、珈琲も、さすがに超名門貿易商のことがあって、最高級ダージリンと最高級コロンビア。


華音は、担任の萩原美香と、瞳の真ん中に座る。

華音

「お口に合いますでしょうか?」

萩原美香は、うっとりとなっている。

「・・・美味しい・・・それ以外にない」

瞳は、緊張気味。

「こんな上品なお食事、初めて」


立花管理人が、少し説明をする。

「今回のメニューは、かつて、アメリカ大統領を迎えた時の、宮中晩餐会を参考にいたしました」

「素材も、その時に使ったものと、全く遜色のない基準のものを、当屋敷の料理人が選んで使用してございます」


少し驚いている萩原美香と瞳に華音が小声で補足する。

「ここのお屋敷のシェフは、かつて、その晩餐会に料理人として参加したんです」

「だから、同じ味になると思います」


萩原美香は、「はぁ・・・おそれ多い」となっているけれど、瞳には思い出したことがあった。

「ねえ、華音君、前にお弁当で、幕の内弁当を持ってきたことあったよね」


華音は、「うん」と、素直に頷く。


萩原美香は、瞳の質問の意味がよくわからない。

「ねえ、瞳ちゃん、それが何かあるの?」

瞳は、首を横に振る。

「いやいや・・・その時のお弁当って、ここのお屋敷の料理人が作ってくれたの?」


華音は、ここでも「うん」と素直。


しかし、瞳と萩原美香は、ビクンとなった。

「うー・・・宮中の料理人だった人の、幕の内弁当?すごすぎ・・・」

萩原美香

「・・・食べてみたいかも・・・」

萩原美香と瞳は、極上フランス料理を食べながら、幕の内弁当の話題になっている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る