STALK─ストーク─ 忍び寄る者

作者 渡波 みずき

SNS社会では誰にでも起こりうる忍び寄る恐怖

  • ★★★ Excellent!!!

某大型掲示板で、Twitterで、LINEで。

人々は一見自由に、無作為に、そしてまるで他人事のようにコミュニケーションを取っている。

だがそれは、うわべだけの自由であり、匿名性だ。Wikipediaがその驚異的な能力を発揮するのは、無数に拡がった知識の集合体であるが故である。それと似たように、コミュニケーションツール上のユーザーもまた、一人一人が知識を寄せ合うことで名無しのジェーン・ドゥを炙り出すことができる。実際にできてしまうのだ。

ほんの些細な呟き一つでその後の人生が破綻してしまった者は、確かにいる。

電子の海に漂う記憶の残滓を掻き集め、私のドアノブを回したのは一体誰なのか。

短いながらも丁寧な筆致で、忍び寄る恐怖を描き出しているところに作者の実力を感じずにいられません。

ああ、怖い…。
あれ、誰だろう、こんな時間に…。

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