第72話 猫vsデバネズミ

「よくも私に恥をかかせて(怒)」

 相手は娘でも夫でもない。

 徒歩通勤途中で見かける野良猫。


 猫と相性の悪いデバネズミ!

 猫とネズミだから仕方ない。


 20代、これまた相性の悪いメス猫がいた。

 家族団欒テレビを見ていると、猫がえづく。


「もしかして赤ちゃん出来たのかもね」

 隣に座っていた妹が嬉々として言う。

「違うよ、お姉ちゃんの足の臭い嗅いだから」

 弟が、今にも吐きそうな猫のお腹を擦る。


「よくも私に恥をかかせて(怒)」説教タイム


 しかし、本当に3匹の赤ちゃんを産んだ。

 妹が私のベッドに赤ちゃんを寝かせる。

 この子たちと仲良くするからいいもんね。

 赤ちゃんを撫で始め、ご満悦の私。

 

 赤ちゃんの泣き声を聞きつけた

 相性の悪いメス猫は私のベッドから

 妹のベッドに赤ちゃんを大移動させる。


 何でだよ!首の所を優しくくわえて、

 3往復する親猫。憎たらしいわね!



「この猫知ってますか?散歩してたら

 付いてきちゃって。何処かの飼い猫かしら」

 徒歩通勤途中に見知らぬ人に声を掛けられる。


「この子は、え~と」

 人懐こい野良猫じゃん。私にはなつかないけど。

「保護して貰った方がいいかなと思って、

 今電話しようかなと思ってたんです」

 そうですね、保護賛成。


 野良猫と目が合うデバネズミ。

 野良猫の正体ばらすなよ!

 と言ってるみたいだ。


「本当に人懐こくてかわいいわね。

 この性格ならすぐに里親見つかるかもね」

 その人にゴロゴロ甘える野良猫。


「本当ですね、まあかわいい」

 めんどくさいけど、お前のためだ。

 野良猫を撫でようと近づくデバネズミ。


 逃げる野良猫。何でだよ(怒)!

 苦笑いでさっきの台詞。

「よくも私に恥をかかせて(怒)」


 老後飼うなら、絶対亀にしよう。




 

 

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