間話1「ボクは選ばれし者」


「やれやれ……困った冒険者さんがいたもんですね」

「アレスぅ、ほっときなよ、もー」


 リスティが口をとがらせてアレスを咎める。


「そうもいかないんですよ。ある人に頼まれましてね……うまく追い出してくれって」

「へーある人ねー。──あ~あ、……可愛そうなオジサン。アレスを敵にしちゃったら勝ち目ないのに……」

「君も大概だと思いますけどね。昼間、わざとスケルトンに隙を見せたでしょう?」


「まーねー……本当に助けに来るとは思わなかったけど」

 クヒヒヒヒ、と悪戯っぽく笑う少女。


「噂とは少し違うみたいで、意外でしたね。まぁ──お金目当てのところもあったんでしょうが……」

「冒険者カード剥奪って聞いて、凄く焦ってたねー……そんなにこれ・・って大事かな?」

 プラプラ~……と冒険者カードを揺らすリスティ。よくよく見て見ればC級などではなく、B級だ。

「人によっては、これの剥奪は死刑宣告らしいですよ」


「へー……興味な~い」


 そう言って、給仕に言い付けてミルクを下げると、今度は本物の酒をグビグビのみ始める。


 それに付き合うようにアレスも酒を注ぎ、慣れた様子でナッツを齧り始めた。



「さて、貧乏人が分不相応な金を持つとどうなることですかねー」

  



 ふふふふふふ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます