拾ったガイコツがうるさいッ

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プロローグ「昔は魔王城、今───?」

 旧魔王城──エーベルンシュタットは初心者向けのダンジョンだ。


 勇者の住む王都から対岸に見えるのは、難攻不落の魔王城。──だった。


 かつては大陸に覇を唱えた魔王も、身内の裏切りにあい──あっさりと勇者たちに滅ぼされた。


 その後の城は、ひどく荒らされた。


 ありとあらゆる国──そして、ギルド。次に冒険者によってそれはもう徹底的にだ。

 荒らされるだけ荒らされて、更にはペンペン草一本も映えないくらいにキレイに浄化されてしまった。


 本来なら、勇者の住む王都から……対岸に見えてはいても渡れないラストダンジョン。そこは、強力な結界とドラゴンによって海峡は封鎖され、大陸を大回りして初めてたどり着ける場所であった。



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 しかし、それも昔の話。


 今となっては、

 ドラゴンは駆逐され、結界は破壊。


 しまいには、王都から橋までかけられちゃって、お手軽にいける観光地クラスに成り下がってしまった。


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 一応はギルドが管理するダンジョン扱いで、冒険者登録しないと入れない仕組みだが────王都の暇なカップルは、旧魔王城の禍々しい外観がお気に入りのデートスポットらしい。


 彼女とシッポリ楽しむために、その周辺をチョロチョロしている始末。


 そんなデートスポット扱いされている魔王城だけど、そりゃ~昔は凄かったらしい。


 神官団による浄化前は、

 最上級のデーモンやら、アンデットキングに、不死身のゴーレムが無限に沸き続けていたという。


 しかし、

 魔王亡き今────その城は、魔物の沸く魔素溜まりリポップポイントに張られた結界と、教会率いる除染部隊による、聖水を使った浄化作戦によって徹底的に浄化されてしまった。


 結果、

 旧魔王城は安全地帯となり、辛うじて雑魚モンスターが湧くだけの初心者用ダンジョンへと変貌したという。


 そのため、現在の旧魔王城の預かりは冒険者ギルドとなっている。


 せっかくなので、ギルド所属の冒険者に開放し、初心者腕試しの場として活用されている。


 じつに、平和なものである。


 ──今日も今日とて、

 王都のギルドから出向している監視員の点検を受けて、初心者カードをぶら下げた冒険者が中へと入っていく。


「ふわぁぁああ~」


 受付のギルド職員は欠伸交じり。

 屋台のような粗末なカウンターでのんびりとお茶を飲む。


 監視員とは名ばかりの、ひなたぼっこ。


 当番で配置されるここの勤務員は、「今日も平和だな~」と──幸せそうに旧魔王城前の長閑のどかな光景に目を細めていた。




 えぇ──そうですとも、世は平和なり。

 魔王亡き今、人々は世界の終わりとか気にせず、のんびりだらりと過ごしている。






 それは、今この魔王城に挑んでいる一人の冒険者・・・・・・についても同じことだった。







───────────────

後書き


よろしくお願いいたします



「勇者の寝所番」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887604011

も、よろしくお願いいたします


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