懐かしい記憶その1
ふと思い出したのだが今から一年くらい前の話。
従弟の聡一(小学5年生)が遊びに来た時、ちょうどその頃、季長も遊びに来ていた。
聡一には彼は鎌倉時代の人でひょんな事から現代に来れるようになったと説明していたし、聡一もすぐに彼を受け入れてくれた。
そしてとある日のこと聡一が満面の笑で彼に近づく。
「ねえお兄ちゃん〜ちょっと耳貸して〜」
と言って彼の耳元で
「明日美ちゃんに何カップか聞いてみてよ。」
と言った。
すると季長はわたしに向き直るなり真面目な顔でとんでもない事をわたしに聞いてきた。
「明日美殿は何かっぷなのだ?」
聡一に変な事言われたのだな、彼が何も知らないからってそれを良いことに…。
「は?あんたそれ一体何聞いてんのか分かってるの?」
「いや分からん」
だろうな…。
「それさ、わたしに胸が大きいか小さいか聞いてるって事だよ。」
わたしがそう言うと彼は凄く申し訳なさそうな顔で
「明日美殿…我は明日美殿の名誉を傷つけた。」
「べ、別に名誉は傷ついてないわよ?」
「いいや傷付けた。」
全く聞いてないや。
「格なる上は自害して…」
「ちょっと待って!!死なれたら困るから!!」
とわたしは腰刀に触れている彼の右手を思い切り掴む。
隣ではいたずらっ子のように笑っている聡一、この後なんとか止めたし、聡一には余計な事を言うなと釘を刺しておいた。
季長も義経も裕太も一翔も案外かわいい所あるものな、ただ冗談が通じないのが致命的だけれど。そして何よりも今となっては何もかもが懐かしい。
聡一、今無事でいるかな?
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