第114話
「ふ、ぇ・・・・・・」
「さくら。どうしたんじゃ?」
「大丈夫か!」
さくらが『泣きながら』目を覚ました。
それに神々と会って話をしたことで脳が『興奮状態』になり眠れなかった4人が慌てて身体を起こした。
4人の脳裏には『記憶障害』が
しかし・・・
「ふぇ・・・ヨルクが私の『
「なんだよ。それ・・・」
さくらは寝ぼけていただけのようだ。
心配が空振りに終わりヨルクはドッと疲れが出たようで布団に『大の字』で寝転がる。
「えーい!」
声のした方へ枕を持った手を伸ばすと、ちょうど仰向けになってたヨルクの顔面に直撃したようだ。
「ぶふぇ・・・!」
「わーい!『ソフト』のしかえし~!」
仰向け状態で楽しそうに両手を叩いて喜ぶさくら。
「やったなー!」
「きゃ~」
タオルケットでさくらを
「あ~。
「やーん。ヒナリ~」
さくらはヒナリに助けを求めるが、ヒナリも寝転がってさくらを前から抱きしめる。
「あー。ホントにさくらったら
ヒナリが目を閉じるとそのまま眠ってしまう。
ヨルクもさくらとヒナリを抱きしめたまま目を閉じる。
さくらも2人の温もりに
セルヴァンはそんな3人に自分の使っていた掛け布団を掛ける。
布団はひとりずつ大きさが合わせてあった。
2メートルを超えるセルヴァン用の布団は誰よりも大きなサイズだ。
3人に掛け布団を掛けても十分な大きさだった。
ドリトスは眠るさくらの頭を撫でる。
「お主は昨夜の神々の話を聞いてどう思ったかね?」
「・・・『さくらは神々に深く愛されている』と」
「神々はワシらを信頼して大切な『
セルヴァンもそれを考えていた。
近くにいたにもかかわらず『呪い』に気付かず、さくらを苦しめてしまった。
そんな自分たちは神々に『信頼をされていない』のではないだろうか。
だから神々は『さくらのそばで見守りたい』のでは・・・
【 あなた方には『さくらと共に生きる』。そう選んでもらえただけで十分です 】
【 さくらのそばで、こうやって見守っている 】
【 神はあなた方に『それだけ』を望んでいる 】
この世界の言語で書かれたハンドくんの言葉の内容にドリトスとセルヴァンは目を丸くする。
なぜ。神は自分たちがさくらのそばにいるだけでいいと思っているのか?
【 神はただ『さくらといたい』だけ 】
【 しかし『神』という存在である以上『さくらだけ』に『肩入れ』することは出来ない 】
【 だからこそ『国』や『種族』を越えて『さくらのこと』を一番に考え『さくらのこと』を真っ先に守れる存在が必要 】
確かに『肩書き』や『立場』から解き放たれて
「ワシらは何をすれば良いのかね?」
【 なにも。『今まで通り』で構わない 】
【 さくらが『さくららしく』過ごせるようにして貰えたらそれでいい 】
それなら自分たちでも手伝えるだろう。
さくらを中心にワイワイガヤガヤと賑やかに。
時には『セルヴァンのゲンコツ』や『ハンドくんのハリセン』付きで。
ドリトスはさくらの頭を撫でながら『これから』のことを思い浮かべる。
「きっと『騒々しい未来』が待っていますね」
セルヴァンも同じことを考えていたのだろう。
眠る3人を見て苦笑している。
「さくらと共に作る『未来』じゃ。『さくらのため』ならそれも楽しいじゃろう」
「えぇ。そうですね」
ドリトスはさくらのする事したい事に口を挟まない。
ただ楽しそうに『見守る』だけだ。
その代わり『何かあったらすぐに助けられる』ように誰よりも細心の注意を払っている。
だから数時間前。
ヨルクが落としかけたさくらを抱きとめることが出来たのだ。
「ハンドくん。神々に伝えてもらえるかな?『我々4人。微力ながら尽力させて頂きます』と」
【 分かりました。これからもさくらの事を宜しくお願いします 】
「もちろん。ハンドくんも今まで通り頼むよ」
【 はい。お二人ももう少しお休みください 】
「しかし俺のはこいつらに・・・」
「セルヴァン。ハンドくんは『出来ないこと』は言わぬよ」
そう言われてドリトスの目線の先、自身が座っている布団の足元を見る。
そこには新しい掛け布団が二つ折りで畳まれて置かれていた。
さくらたち3人はさくらの布団で寝ている。
ヨルクが寝返りをうったときにドリトスに迷惑がかからないよう、ドリトスの布団は離してある。
ヨルクは一人寝のときは寝返りをよくうつ。
しかし、今のようにさくらとヒナリが一緒のときは一度も寝返りをうたない。
それはヒナリも同様だ。
さくらは2人の『
ドリトスとセルヴァンは
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