175-4.幼馴染みの変化(マックス《悠花》視点)
*・*・*(マックス《
強固派の危機も去った。
あたしにチーちゃんの前世の記憶も戻った。
んでもって、チーちゃんとカイルが
これを祝わないでどうするのよん!? あたしやエイマー、レクター達の時みたいにパーティーはいつしようかしらん??
「……なんだ、その顔は」
あたしがえらくニマニマしているもんだから、執務をしてるカイルは『うざい』と顔に書いてあったわ。チーちゃんと名実共に結ばれてから……表情筋がちょこっと落ち着いたのよねん??
不機嫌云々は相変わらずだけど、機嫌良いと口角が緩むのよー?
二個上だけど、王妃様があの時亡くなってからその全ての表情筋が……『怒』以外死んでたのよねん?
(それがどうよん?)
昨日の今日だけど、チーちゃんと想いを交わしたってだけで……そのほとんどが戻っているわ。チーちゃんは前に『ちょっとだけ笑ってくれた』とか言ってたけど……それが大改善されてるわ!!
今はあたしと一緒に執務してるからって……ちょっと不機嫌になったけど、前よりはマシよマシ。ちょっと片眉上げる程度よん?
前だったら眉間にシワ寄せるくらいだったのに。恋って素敵だけど、怖いわ〜?
「べっつに〜〜?? チーちゃんと名実共に婚約したんなら……そんなゆるゆるの表情も納得だな〜ってな??」
「…………そんなにもか?」
「表情筋死んでた野郎が、たった一日で元に戻るんだぜ?? こっちは見てて面白い」
「……玩具か」
「聞かれたんだから、そのまま言っただけだぞ?」
「…………」
とか返事したら、めっちゃくちゃ顔を赤くしたのよねん??
チーちゃんに見せたらどんな反応するかしらん??
今はいつも通りにパンを作っているらしいけど……今日は何かしら??
一昨日と昨日はほぼ丸々いなかったから、執務溜まりに溜まっているのよねん?
あたしは書類の仕分け程度しか出来ないけどー?
コンコン
ちょっと真剣に仕事してたら、ノックが聞こえてきたわ。この鳴らし方は! と、あたしはカイルが返事する前に扉を左右に大きく開いたわ!!
「チーちゃん、おやつねん!!」
「びっくりした!?」
『でふ!』
ワゴンを引っ張って持ってきたチーちゃん達は、あたしの行動にいくらか驚いてきた。
勢いで抱きつきそうだったのが、カイルにはわかったのか……。後ろから、こっわい怒気を露わにして首根っこ掴んできたわん……!?
「前世が女だとは言え、俺の婚約者に不用意に抱擁とは良い度胸だな……?」
「こっわ?!」
『氷の守護者』の異名をもろに体現しているから……チーちゃんもだけど、ロティちゃんもお互いに抱きしめあっていたわ。
そりゃまあ、これは怖いわよねん??
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