154-4.誕生日会④(シュライゼン視点)






 *・*・*(シュライゼン視点)







 うむ、うむ!


 やはり、マンシェリーには母上の形見がよく似合うんだぞ!!


 あのアクセサリー一式は、ちょうどマンシェリーが生まれた直後のお披露目以来だろうか?


 昔、父上に贈られたと言うものを身につけた母上は。


 とってもとっても、綺麗だったんだぞ!!


 その母上と瓜二つの、娘であるマンシェリーが似合わないはずがない!!


 ただ、思いっきり緊張しまくってはいるんだけどね?



「チャロナ〜!! とってもとっても似合っているんだぞ!!」



 ガチガチになっている我が妹の肩をぽんぽんと叩いたら、マンシェリーはゴーレムがゆっくり動き出すようにして俺の方に振り返ってきた。



「しゅ、シュライゼン様ぁ!」


「うん?」


「こ……こんな高価なもの!? 本当にいただいていいんですか!?」



 うーん。


 まだ自分が王女だと知らない彼女にとって、高価な品物を身につけるのに抵抗があるのかもしれない。



「誕生日だと言うのは後付けなんだが。あと少しで式典があるだろう? その正装用に、俺や父上のはもともと用意してたんだぞ?」


「え?」


「勲章を与えるだけでなく、城に行くんだ。それなりに着飾らないとね?」



 嘘ではないんだぞ?


 今日がマンシェリーのこれまでの誕生日だと知らなかったら。用意していたドレスと一緒に贈る予定でいた。


 アクセサリーだけしかないが、それが早まっただけだ。



「そ……う、ですよね」



 とりあえず、マンシェリーは納得してくれたようだが。


 それでも、『落としたら大変!?』みたいな雰囲気は落ち着かず、ガチガチのままだったんだぞ。



「そうだ!!」



 城から連れて来た楽師団達のところに行って、曲目を変えさせた。


 マンシェリーに踊ってもらうためなんだぞ!!



「チャロナ〜!! カイルと踊ってほしいんだぞ!!」


「は、え!?」


「……全く」


「レクター様!! わたくし達も」


「んー、そうだね?」


「俺はシャルと〜!!」


「はい、シュライゼン様」



 と言うわけで、俺達三組が中央で踊ることになり。


 ちらっと見たが、マンシェリーはメイミー達の特訓のお陰で、随分と美しい姿勢でカイルと踊れてたんだぞ!!



「……あと少しですわね」



 踊りながら、シャルは少しため息を吐いた。


 たしかに、あとほんの少し。


 マンシェリーの、正式な誕生日と成人の儀を祝う式典が迫ってきている。


 イシューを含めて、マンシェリーを殺そうと付け狙う馬鹿な強固派達もこらしめるつもりだ。絶対に、そこは成功させないと。


 今後のマンシェリーの進む道を、違えさせてはいけないのだから。


 そして、あっという間に、一曲が終わり。


 その後には、マックスを筆頭に押し寄せた使用人達のお陰で、マンシェリーがプレゼントの山で埋もれかけたんだぞ。

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