151-2.ひと区切りに向けて






 *・*・*











 明日は、式典前最後の定例会。


 なので、今日はその仕込みがメインだ。


 バンズ担当。


 パティ担当。


 他の具材担当。


 バンズは量が多いので、全員で担当して。


 発酵、成形、焼成が終わったら、私はパティをレイ君と担当して。シェトラスさん達は他の具材。


 シェトラスさんのカリカリベーコンは最高に美味しいんです!


 これがふわとろのスクランブルエッグと合わされば……最高の朝食メニュー! 私、そのメニューの日はおかわりしちゃうくらい……。


 で、とりあえず。



「パティは、厚みを持たせないように。少し薄く、けどバンズからはみ出ない大きさにするの」


『はみ出た方が美味そうでやんすけど』


「それも有りだけど。ソースとかケチャップがはみ出ちゃうから、それを防ぐためなの」


『ほーぅ?』



 こねすぎもいけない。


 とはいえ、こねないのもいけない。


 ケーキ型のセルクル……プラスチック製の型も銀製器具シルバーアイテムの中にあったので、大きさを計ってから作ってみる。


 道具箱? がシルバーって言うのにほとんどなんでも有りだ。今更だけど。



「パティの大きさに型で抜いて。……ロティ?」


『あいでふ!』



 せっかくなので、ロティにパティを瞬間で冷凍してもらい。


 出来上がったパティを、レイ君と協力してフライパンで焼いていく。



『チャロナはん? わざわざ冷凍させたのは?』


「そのまま焼くと崩れる可能性があったから。前回は試作だったし、生活魔法の冷却コールドだとここまでカチコチには出来ないからなの」



 試しに、前回かけてみたが。少し端が崩れてしまった。なので、冷凍の技能スキルが手に入った今は重宝している。



『難しいでやんすねえ?』


「そうね? 料理はこれって言う正解がないんだけど」



 だからって、【枯渇の悪食】で失ってしまったレシピの多くは、再現されずに間違った方向になってしまっている。このお屋敷もだが、公爵家の場合はエリザベート様の異能ギフトのおかげでだいぶマシにはなってるらしいが。


 パンやご飯を再現出来たのは、おそらく私だけ。


 それを来週に、お城の式典で振る舞うんだけど……うまくいくかな?


 強固派って、怖い人達もいるだろうし。



(けど、今は関係ない!)



 まずは、明日のために。子供達のために美味しいお昼ご飯を作ってあげなきゃだから。


 パティが焼けたら、冷ましている間にシェトラスさん達を手伝い。


 完全に具材が冷めたら、バンズのカット、マヨネーズを塗る。具を挟む。


 仕上げに、これまた銀製器具から出したバーガー用の紙にくるんで。


 出来上がった順に、同じく器具から出したサインペンで紙に印をつけて、くるんだら無限∞収納棚に仕舞ってから。


 終わったら、全員クタクタになったので、甘い甘いカフェオレでひと息ついたのだった。



(……明日で、ひと区切りかもしれないけど)



 みんな、喜んでくれるだろうか?


 お菓子作りは、チョコレートブラウニーの予定だ。

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