148-4.ほっぺにチュー(レイバルス視点)






 *・*・*(レイバルス視点)








 あ〜〜。あ〜〜!


 あ〜〜〜〜!!?


 なんて、なんて可愛いんでやんすか、ロティ!?


 最初の頃のぷくぷくぷにぷにの赤ん坊の姿も可愛かったでやんすけどぉ!!


 今の整った顔立ちに、スタイルも抜群でやんす!!


 つか、胸!


 胸もちょいと育っているんでやんすよ!?


 エイマーの姐さんに比べれば全然でやんすけど。つるぺったんだったのよりかは全然いいんでやんす!



(はーなーしーたーくないー!!)



 って思うくらい。ロティが起きてから、ずっとハグしっぱなし。


 止まらないでやんす!!



「レイ、いい加減になさい!」



 ロティのほっぺを自分の頬でぐりぐりしてたら、マスターにゲンコツをお見舞いされたでやんすぅ!?



『い、ったい!!?』


「ロティちゃんが嫌がってないからって、限度ってもんがあるでしょ!? ロティちゃんのほっぺ真っ赤じゃない?」


『でふ?』


『あ』



 たしかに、ロティに頬擦りしてた部分が真っ赤っかになってたでやんす!?


 すぐに治癒魔法ヒールをかけてあげたでやんすよ! 同じではない精霊でも精霊魔法は効いたのか、ぷくぷくほっぺが綺麗に戻ったでやんす!!



『ありがちょーでふ!』



 んでもって!


 ロティが!?


 俺っちの胸にダイブしてきたでやんす!?


 びっくりして受け止めると、ロティはふにゃんと顔を緩ませてきたのだ。



『ロティ……?』


『にゅ! 心配かけたでふ!』


『げ、元気ならよかったでやんす』


『にゅふふ! んー!』


「「え!?」」


『え!?』



 ロティが……ロティが!?


 今俺っちの頬にキッスした!?


 いやいやいや、なんで!?



『にゅふふ〜!』



 ロティはただ嬉しそうに笑うだけ。


 あ、これ、俺っちの夢? 夢って思って、思いっきり頬をつねったら、めちゃくちゃ痛かった。



『い、ったい!?』


「そりゃ全力でつねったら痛いわよ?」


『……じゃあ』



 夢じゃない? とロティを見ると。ロティはにっこり笑いながら宙に浮いていた。



『おにーしゃんだからでふよ?』


『ロティ?』


『ありがちょーでふ!』



 ああ……ああ。


 告白かもしれない言葉に嬉しくなり。


 俺っちは頭が爆発しそうになって、その場で倒れてしまったでやんすぅ。


 で、気がついたら、ロティと一緒に姫様の部屋じゃなくてマスターと使ってる部屋で寝かされてて。


 マスターと姫様の姿はなかったでやんす。



『……ロティ』



 寝ている小さな精霊は、俺っちの腹の上に柔らかいほっぺをくっつけながら、小さな寝息を立てていた。


 完全に、俺っちに気を許している証拠でやんす。



『……自惚れていいんでやんすか?』



 けど、その答えは。


 まだ少し怖くて聞けないでやんした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る