142-4.魔法訓練出張②
手加減されまくりの条件ではあっても。
私とロティとは違って、ずっとずっと一緒にいた契約精霊とその主人。
私達とは比べ物にならないくらい、信頼関係を築いていて当然。
けど、これは訓練だから私のため。
だから、頑張らなくちゃ!
「準備いいわよ〜?」
結界を張り終えたようで、レイ君は
悠花さんは余裕の表情で結界らしい、薄緑の大きな
全方向じゃなくて、正面ですべて受け止めるようだ。
私の今日の目標は、悠花さんを一歩でも動かす事。
簡単な事じゃないのはわかっているが、やらなくては私のために……うん、私のために?
何かあってからじゃ遅いのはわかるけど、使用人でしかない私にまで訓練が必要なのか。
今更だけど、少し疑問に思ったのだ。
が、今は余計なことは考えないでおこう。
悠花さんもだが、ロティも待たせているし。
「……よし! 行きます」
『頑張るでふぅううう!!』
「じゃ、まずは!」
最初なので、出力は控えめ。けれど、悠花さんが動くかどうかもわからないので。
風の矢をイメージして、一気に噴射させる!!
『
指鉄砲をするような構えをして、バンっと振り上げたら指から風の魔力が放出されて。矢のようになって悠花さんの結界目掛けて飛んでいく!
初回だからいきなり動く事はないと思ったけど……ぶっ刺さりました!?
「……やるわねぇ? チーちゃーん? 放出系もやったら?」
「放出?」
「たとえば、ここいらを火の海にするとか」
「怖くて出来ないよ!?」
「怖い言ってないで! やるだけやってみる!!」
「うう〜……」
それだったら、ロティの魔法も……いやいやどっちも怖い!!
でも、やらないといけないから、ここは火の海の方をやってみよう。
(けど、どんなイメージ??)
私とロティにはダメージを与えずに、悠花さん達だけ?
怪我するかもしれないのに、とは思うが。その悠花さんがやれって言うのなら何かしら対処するかも。
だったら。
「悠花さーん!」
「なぁにー?」
「溶岩イメージしていーい?」
「……面白いわねえ? やってみなさい?」
なので、両手を前に出してイメージをしてみた。
ここは山。
ここは火山。
ここは溶岩漂う海。
『
さっと、横に手を払えば。そこからボコボコと溶岩が噴き出していき、あっという間に私とロティ以外を侵食していく。
悠花さんは? と前を見れば。
全然動くどころか、盾の結界が半円のように囲んで動いて、レイ君と一緒に守っていたのだった。
「いい調子よん? もうちょいねー?」
余裕綽々過ぎやしませんか?
とりあえず、自然破壊しかねないのでロティに手伝ってもらいながら溶岩の海を消して。
消えた箇所は、炭のように焼け焦げてしまっていたのだった。
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