139-3.ロティも実は(途中別視点有り)
*・*・*
デート。
デート。
明日こそ、デート!!
無限∞収納棚の整理整頓をしながら、明日のデートのためにお弁当や貸していただいた敷物などを再確認して。
終わったら、ロティを膝に乗せてぎゅっとしたのだった。
『でふ?』
「明日こそは……デート」
『うれちくないでふ?』
「う……嬉しいよ? カイル様にあんな風に言ってもらえるだなんて」
嬉しくないわけがない。
超、超、超超超超超超嬉しい!
嬉しいに決まってる!!
その嬉しさに、ロティを抱っこしている腕に自然と力が入ってしまう。
『でふぅう!』
「今日はなんでか失敗しちゃったけど。明日は頑張らなくちゃ!!」
『ロティもおてちゅだいしゅるでふ!!』
「うん、ありがとう」
そして、ぎゅーっと抱き締めれば、ロティはキャッキャと笑い出した。
あー、かわいい。
けど。ひとつ思い出した。
じっと、ロティの顔を見ると。ロティはくりくりの綺麗な紫の瞳を向けてくれた。
『どーちまちた?』
「ロティ。いきなり聞くけど、レイ君のことはどう思ってる?」
『にゅ? おにーしゃんでふか??』
「そーそー」
レイ君の片想いは真剣なものだと知ってるし、かと言ってロティに過剰に接しているわけでもない。ごくごく普通の友人付き合いと言ってもいい。
なので、ロティの方も個人的に気になったので聞いてみることに。今更感はあるけど。
『……にゅー? どー思うでふか?』
「た、たとえば…………私がカイル様のこと、す、好きみたいな」
『にゅ! おにーしゃんしゅきでふよ?』
「……私みたいに?」
『でっふ! しゅきにゃんでさいちんは頭乗ってるでふ!』
「……おー」
過剰じゃないが、ちょっとスキンシップ増えたのはそのせいか。
よかったよ、レイ君。君の想いは報われているようだよ!!
『ふわふわで乗り心地いいんでふ!!』
「……ん? 好きだからだよね?」
『しゅきだからでふよぉ?』
「スキンシップしたいだけ?」
『……おにーしゃんがなんにも言ってくれにゃいからでふ』
レイ君もっとアピール出していいから、ロティの想いにも応えてあげてぇええええ!?
とりあえず、は。明日のために早く就寝することにした。半日以上寝てても寝れました。
*・*・*(レイバルス視点)
……なんだか寒気を感じたでやんす?
けど、精霊は基本的に契約主が体調を崩さない限り、何も病気にはならない生き物でやんすよ?
なのに、寒気……。よくないことが起きるでやんすか!?
(ロティにこれ以上何もないならいいんでやんすが!!)
今朝方、お休みでも全然起きてこない姫様とロティが気になって、エイマーの姐さんが見に行ったのだが。
以前にもあったように、全く起きない状態になったらしい。しかも、今日はまるまる半日も!!?
カイルの旦那も相当焦ったくらい、ウルクル様にご助言願う手前で起きたそうだが。
マスターが言うには、まるで子供のように楽しみにしてたお出かけ……デートが台無しになったのを酷く悲しんで号泣してしまったそうだ。
無理もない。
いくら、マスターのように転生した身とは言え、実年齢は成人そこそこのお嬢さん。
娘らしい事を楽しみに思うことは当然でやんす。
(……ロティも無事に起きていたし)
食事を俺っちとマスターで運んで、様子を見に行ったらロティは眠そうだったがいつもどおりだった。
思わず、ぎゅーっと抱っこした俺っちは悪くないでやんす!!
『はあ……ロティ』
想いは真剣でも、俺っちの気持ちをどう受け止めてくれるのか。ビビりな俺っちはなかなか出来ないでやんすよ。
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