138-4.問い詰めた結果(マックス《悠花》視点)
*・*・*(マックス《
ルーンッタッタ、ルンタッタ!!
超超超超超超〜〜、美味しかったわん!! チーちゃんがメインで作ったポットパン!!
固いフランスパンじゃなくて、食パンをくり抜いてだけど、ビジュアルも味もピカイチ!!
シェトラスのシチューは美味しいけど、チーちゃんのパンが加わればパーフェクトと言って過言ではないわ!!
箸休め程度に思われがちな、くり抜いた白い部分を炙ったのも。単体でも美味しいし、シチューに浸せばとろけるような食感に!! 美味し過ぎて美味し過ぎておかわり頼もうとしたけど。
食パンの在庫の関係でダメだって、
仕方ないので、カイルの執務室で大量にもらったラスク+αで、カイルを問い詰めてやることにしたわ!!
「カ〜〜イ〜〜ルぅ〜〜〜〜??」
「…………」
けど、あたしが問い詰める前にレクターの方から問い詰められちゃったのよね?
「いきなりどーゆー心境の変化ぁ? 僕が提案を持ちかけても渋ってたのに。姫様とちょっとイチャイチャするだなんて??」
「い、イチャイチャ……など!」
「じゃ、なんであーんなんてして欲しいって言ったの??」
レクターが知ってるのは、ここに来てあたしが問い詰めようとして全部言ったから。それでレクターが怒ったと言うか、苛立ったと言うか。
とにかく、こんな状況になったわけ。あたしは応接スペースのソファで適当に座ってシュガーラスク食べまくってるけど。
「…………少し、前に」
ようやく言い始めたカイルの顔は、珍しくむちゃんこ真っ赤だった。
「うん?」
「……姫に、例の子守唄を歌ってたのを聞かれた。……当然姫の記憶は神によって封じられたが……その。今日のは……欲が出た」
「カイル……」
「お前……」
感情を失った氷のような男の。心の氷塊が崩れてきてるのねえ?
あたし、ちょっとばっかし嬉しくなって涙がちょちょぎれたわ!!
「……マックス、やめろ。見ていて不快だ」
「だって〜〜、お前!!」
そこまでチーちゃんを好きでいただなんて、改めて実感したら号泣しないわけないじゃない!!
とりあえず、レクターからはタオルもらって顔拭いたけど。
「えーっと? とりあえず、無理のない範囲内で姫様と接したいって思ったわけ?」
「……式典前に、もう一度遠出したいとも思っているが」
「「明日行け」」
「……は? 明日?」
仕事はぱっと見立て込んでいないように見えるし、定例会前にもう一回ってんなら。さっさと実行すべし!!
とにかく、カイルんことはレクターに任せて、あたしは厨房に突撃よーん!!
「チーちゃん!!」
「は、はーい?」
食堂からじゃなくて、厨房の入り口を開けたらちょうどチーちゃんがリーンと何かを片付けていた。
「お出掛けよ!」
「……
「主語抜けてたわ!! 違ーう! カイルとあんたが!!」
「は、はひ!?」
「まあまあ! お兄様とお姉様がですの!?」
「ふっふっふ! あいつの執務も立て込んでいないし、チーちゃんリベンジしなさい!!」
「無理無理無理無理ぃいいいいいいい!?」
「頑張ってくださいまし! お姉様!!」
と、ゆーわけで。メイミーとかメイド揃えて支給チーちゃんのお出掛け着を作ってもらい。
明日に備えて、あたしもお弁当作り手伝ったわん?
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