137-2.第四回パン教室①
*・*・*
パン教室当日。
せっかくなので、
当初予定していた食パンで、ポットパンを作ることに決めました!
「ポット……パンって、なんだい?」
お着替えを終えられたシュライゼン様が真っ先に私に聞きに来たのでした。
「普通だと、丸い形のフランスパンで作るんですが。食パンを一斤……だいたい真四角に切って、中の白い部分を一定の厚さまでくり抜きます。そのくり抜いたパンにシチューなどを入れて食べるんです」
「おお!……それは美味しそうなんだぞ!?」
「ほほう! パンを器に!」
「シチュー以外にもカレーで出来ますが、今日はシェトラスさんお手製のビーフシチューです!」
「「おお!!」」
「それはそれは。シェトラス殿の特製シチューとは美味しそうですなあ?」
とりあえず、お師匠様もだけど。まだまだパン作り初心者のシュライゼン様達に食パンの成形は難しいと思うが。
だいぶ作り慣れてきた、エイマーさんにレイ君もいるのでアドバイスは大丈夫だと思う。
成形に時間をかけるのと、お師匠様にロティの
今日もいらっしゃってる、アイリーン様までも。エリザベート様はおやすみなんだって。ちょっと用事が立て込んでいて忙しいらしく。
アイリーン様がうまく作れたら、お土産に食パンを持って帰るそうだ。ポットパンまるごとは大変だもの。
「さて、食パン作りは色々ありますが。今日のは全粒粉を混ぜて、仕上がりが香ばしくなるタイプです」
「ふむ、チャロナちゃん。儂はパンに疎い方だと自覚しているが、そんなにも食パンに種類があるのかね?」
「はい。今日作るのは角型。型に合わせて作るタイプです。蓋をしないので、山のように膨らむのが山型。ナッツなどを入れたバラエティと呼ばれるのや……バターをたっぷり使ったデニッシュというのもありますよ? クロワッサンと言う三日月型のパンと同じ生地なんです」
「……奥深い」
私の説明を聞き終わったあとに、眼鏡がキランと光った気がした。
「全部美味しそうなんだぞ。チャロナ〜、たとえば甘い食パンとかあるのかい?」
「ありますよ? チョコを混ぜ込んだり、かぼちゃとかペポロンでも」
「おお!」
とりあえずは、生地をボウルに入れて。ロティには
「お師匠様」
「なんじゃ?」
「今から
「おお! 見せてくれ!」
「はい! まずは」
お師匠様もその様子を見ていただき、無言だが真剣に見てくださってた。
「魔法とも、普通の技能とも違うの?」
「私の『
「……この魔導具にか?」
「煮込み料理とかにも使えますね?」
「贅沢な使い方じゃのぉ」
タップして作動させれば。蓋を開けた発酵器の中の生地は、ボウルから溢れる手前まで膨らんでくれたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます