114-2.フランスパンの定義?
窯入れ、もとい、ロティの
パン屋にもよるが、現代日本の場合、シリコンシートの活用方が主流になってきたので、鉄板の上に敷いて生地を乗せる方法が多い。
ロティの天火機が汚いわけではないが、取りやすさを意識して、今回もその方法でいく。
十数分ゆるませてから、成形に取り掛かる。
成型方法も色々あるが、今回はバケットなので、軽く全体を広げたらコッペパンのように広げては細長く閉じ目をつける。
「そして、さらに両手で少し細長くしたら」
成形の完了。今回は私一人で担当するので、成形したらキャンパス布の上へ閉じ目を下にして乗せていく。キャンパス布には、あらかじめ打ち粉を振ってあるのでくっつく心配はない。
しかも、このキャンパス布は軽くはらうと粉も汚れも綺麗に落ちる優れもの。本当に、
「あと、少しだけ二次発酵させたら焼けます」
「おや、随分と発酵時間が短いんだね?」
「成形前にたっぷり時間をかけて発酵させたので。空気を含ませる工程はこれくらいでいいんです」
「けど、チャロナくん? 発酵させるのであれば、いつものようにロティくんの
「そうですね? バターや牛乳などが含まれている場合だと、温度管理はしっかりした方がいいです。けれど、今回の生地はそれらを使用してませんし。つなぎの薄い生地ですと高めの温度で発酵させたら、分割がさらに難しくなります」
「『「なるほど……」』」
「と言っても、私も前世で修行中だったので、憶測の部分もありますが」
「いやいや、チャロナちゃん。私達にはとても勉強になるよ?」
とは言っても、大量に仕込まない家庭での場合だと、
ロティの場合、家庭用よりも業務用なので、今回は私なりの方法でフランスパンを焼いていく。ロティの天火機にはスチーマーがあるのは確認済みだ。
「発酵が終わったら、仕上げの
まず、全部の生地をシリコンシートを敷いた鉄板の上に等間隔に乗せていき、打ち粉を振るいかける。
クープナイフで、ためらわずに一気に一本につき三本の斜めの線を入れていき。スパっ、スパっと切り込みを入れ終わったら、すぐにロティの天火機に入れていく。
そして、全部入れたら、オーブンの下にあるスチーマーの具合を表示されたボタンを押す。手動で普通二回に、弱めの方も二回。
こうすることで、表面に水分が付着してより焼き色が綺麗に……なるらしい?
私もそこはうろ覚えでしかないのだ。
「あ、ロティ」
『あいでふ?』
焼く合図をする前に、ロティに声をかけた。
「ほかのパンでもそうだったけど、前後入れ替えなくても大丈夫?」
『でふ! おまかちぇくだしゃいでふ!』
「OK!」
普通の窯なら、焼きムラが出ちゃうから前後入れ替えたりするんだけど。ロティが大丈夫と言うのなら信じよう。
なので、お願いするとロティはいつものように歌を歌い始めたのだった。
「あ、今日の皆さんへのおやつ、どうしましょう」
フランスパンは多少日持ちするので、明日の朝でも大丈夫だけど。パン教室で作るのはコッペパンだ。出来れば、シュライゼン様達にもフランスパンは召し上がっていただきたいし、ジャムとかバターはあるけれど。
「そうだね。……しかし、コッペパンだと、チャロナちゃんに教えてもらったサンドイッチとかだったし」
「あ! 思い出しました! 揚げちゃいましょう!」
「『「???」』」
「焼いたコッペパンをさらに表面を揚げて、砂糖やココアとかで味付けするんです! そう言うおやつ向きのパンもあるんですよ!」
「『「おお!!」』」
中学校までの学校給食であった揚げパン、懐かしいなあ。
私もカイルキア様みたいにチョコが大好きだから、ココアフレーバーが一番好きだった。
汚れやすいけど、カイルキア様も喜んでくださるだろうか?
『ぷぷぷ、ぷぷ〜〜! 出来まちたぁあああ!』
そうこう盛り上がっているうちに、もうフランスパンが焼き上がったので、全員でミトンを装着して鉄板を調理台に乗せるリレーをするのだった。
『香ばしい、いい匂いでやんす〜〜』
「そうだね?」
「いい匂い〜〜」
と言うわけで、出来立て熱々を召し上がっていただくべく。
ロティも元に戻ってから、まな板の上で波刃包丁できってくのだが。出来立てのパリパリの音がすっごくたまんない!
「「いい音だね!」」
『な、なんか……今まで食ってきたパンと違う音でやんす』
「お待たせしました!」
取り分けが出来たので、熱々のフランスパンを口に頬ばるのだった。
【PTを付与します。
『パリパリ基本的なバケット』
・製造40人前=25000PT
・食事ひと口=150PT
→合計25150PT獲得
レシピ集にデータ化されました!
次のレベルまであと3587580PT
】
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