113-3.第一回鍋パーティー①
*・*・*
シャミー君に、ゼーレンさんを筆頭に執事メンバーを呼んできてもらい。
まずは、レイ君とエイマーさんを筆頭に、食堂のテーブル位置を変えていく。ゼーレンさん達がやってきたらそちらはお願いして。
「仕上げです!」
煮込んだ野菜が程よく煮えたら、次に油揚げで少々工夫したものに。豚に似たオーク肉のバラ肉を薄切りしたものを加えて。
「煮えたら、テーブルに持っていきます!」
「そこは私とレイバルス公がやるよ」
『ほいきた!』
「チャロナちゃんは、皆が席に着いたら説明お願いね?」
「はい!」
『でふ!』
カイルキア様やレクター先生、
「お待たせ致しました! 本日のお昼は目の前にある鍋の中身を、皆さんで取り分ける鍋料理と言うものです!」
『『『おおおおお!!』』』
「味付けは昨日と似た感じになりますが、カレー味になります!」
『『『カレー!?』』』
「主食はパンじゃありませんが。具がなくなった後に、ご飯を入れて、昨日のお昼のようなリゾットを作ります!」
『『『おおおおお!!!!』』』
テンションも上げ上げになってきたので。まずは、カイルキア様によそうためにそちらの鍋の蓋を開けた。
「「いい匂い〜〜〜!!」」
「たしかに、カレーの匂いだな?」
野菜を適量。お肉と一緒にノーマルの油揚げと少々工夫した『巾着』の油揚げも大きめのお椀のような器に入れて。
「チーちゃん、それって!?」
「うん! 油揚げに切り込みを入れて、生卵を入れて竹串で閉じたの。今串は取ったけど、卵がいい感じに熟してるかな〜?」
「お、俺にも!」
「はいはい、順番順番」
カイルキア様の前に置くと、彼はゴクリと唾を飲み込んだようだ。
「まるで具沢山のスープのようだな……?」
「スープよりは濃いめの味付けなので。あと煮汁がサラサラしてますので、飛び跳ねに注意してください」
「……わかった」
ドライカレーとカレードリアではなかったらしいけど、高級な衣服に飛び跳ねでもしたら……メイミーさん達のお仕事が絶対大変になるはず。気にしないでとか言われるかもだけど、気にしちゃう!
「カイル様。この袋状になっているのが、ヌーガスさんが仕入れてくださった油揚げです! そのまま入れているのもあるんですが、袋状の中には卵があります」
「……なら、昨日のドリアと似ているのか?」
「そうですね。ただし、カイル様には事前にお伝えした通り。ベースにした味付けが、いつものカレーとは違います」
「……いただこう」
まず誰よりも先に、とカイルキア様はフォークでエスメラルダさん達特製の粗挽きウィンナーを刺して。口に運ぶと歯切れの良い音が食堂に響いた。
「これは!」
ウィンナーを食べ終わってから、次はキャベツ、玉ねぎに固茹でしたジャガイモ、ナスといった具合に全ての具材をひとつずつ召し上がられたら。
「……これは、まさに皆で分かち合う料理だな。皆、チャロナの注意を気にしつつ食べろ!」
『『『『『は!!』』』』
と言うわけで、第一回鍋パーティーが開催となり、銀製器具で多めに出しておいたお玉で。皆さん飛び跳ねに注意しながらお椀に具材を入れていくのだった。
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