104-3.お弁当作り
*・*・*
今朝はメソメソしてしまったけど、気持ちは切り替えていかなきゃ!
けど、明日のカイルキア様との
(好きになっちゃったんだもん。気持ちを伝えられるかどうかはわからないし……)
だから、精一杯気持ちを込めて、美味しいお弁当を作るまで。
ただ、主食をパンかお米にしようか非常に悩んでしまう。朝ご飯の提供を終わらせてからでも、私は非常に悩んでいた。
「う〜〜〜〜ん……」
今日のおやつ、シーフードカレーパンを作りながらも私は悩んでいた。
『難しいでふか?』
発酵器になったままのロティから見ても、結構難しい顔をしてたみたい。
「……うん。多分、ピクニックに近いからいろんなお弁当を作った方がいいかなあって思うんだけど」
『あにょおにーしゃん、ご主人様のご飯にゃらなんでも食べるでふよ?』
「そうかもだけど。ピクニックだとサンドイッチとかおにぎりかでテンション変わってくるし」
「クス。チャロナくん、恋する女の子よりも、お母さんのような感じになってしまってるよ?」
「うう……」
エイマーさんから見て、私は恋する乙女よりもどうやらお母さんっぽくなっているらしい。もちろん冗談だろうけど、ちょっとショック。たしかに、献立に悩む様子はお母さんに見えてもおかしくはない。
けど、このまま悶々と悩んでて、お弁当作りを失敗してはいけない。
だから、昔から
「カイル様のお好きなお料理って、甘いもの以外何かありますか!?」
「う、うん? 君の作るものならなんでも美味しそうに召し上がっていらっしゃるけれど?」
「う……そうじゃなくて」
「はは。わかってるって……そうだね。君のパンもだけど、米があんなにも美味しいと教えてもらえたから……明日は米がいいんじゃないかな? デザートを例えばこの間のシュガードーナツのようにするとか」
「な、なるほど!」
作るなら両方……けど、カイルキア様の好みを熟知されてるエイマーさんには、日々の生活で見抜いているから。
まだまだ新人の私だけじゃ、わからないことを教えてくれる。シェトラスさんも奥でニコニコされてるけど、バカにする感じには見えない。見守ってくれてる感じだ。
「じゃ、じゃあ。色んなおにぎりに日本風のおかずにしてみますね! デザートには、フルーツサンドイッチにして」
「決まったのなら良かったよ」
「ありがとうございます」
そして、おやつ提供も戦争が起こったりはしたものの無事に終わり。
そこからは、夕飯はシェトラスさん達に完全にお任せして私はロティと一緒に明日のお弁当作りに勤しむ。
「おかずは定番中の定番。卵焼きに鳥から二種類、タコさんウィンナーと青菜のお浸し」
『美味ししょーでふうう!』
「うん、頑張ろう!」
出来上がってバスケットに詰めて、無限∞収納棚に入れてしまえば出来たての状態で食べられるし。
それに、ロティの分は別で作っておくけど、食べるのは私とカイルキア様だけだから。
私も食べるには食べるけど、初めての乗馬でグロッキーになっちゃうだろうからあんまり食べれないかも。最初? の怪我した直後に運ばれたのはカウントしない。気絶してたからだ。
あと、カイルキア様がゆっくり乗せてくださるだろうけど、絶対足がガクブルになる可能性大! あと、好きな人のすぐそばにいることが緊張MAXの原因!
けど、とにかく美味しいお弁当を召し上がっていただきたいからまずは唐揚げ作りから。お肉は当然、コカトリスのモモ肉!
「すじ取りして……カットしたのを、ニンニクと生姜のすりおろしに漬け込んでから、エスメラルダさんにいただいた醤油ベースのタレと塩と分けて」
小麦粉と片栗粉を混ぜたものを用意して、卵を割りほぐしたらの味付けした肉を入れ。粉の衣をまとわせてから、ロティにフライヤーになってもらって唐揚げを揚げていく。もちろん二度揚げで。
【PTを付与します。
『二種類の満腹唐揚げ』
・製造各三人前=各500PT
】
「次は卵焼き」
甘めの味付けか、しょっぱい系でいこうか悩んだが。先日ヌーガスさんから頂いたカツオ節と昆布で仕込んだめんつゆで、甘じょっぱく仕上げましょう。
ただし、そうすると焦げ付きやすいから、時々濡れ布巾を用意するのを忘れずに。専用の四角いフライパンがないので、普通のフライパンで油は多めでふんわり作っていき。
お弁当に入れない端っこの部分を、ロティやシェトラスさん達に味見していただいてからおkをもらって完成。
【PTを付与します。
『とろーりだし巻き玉子』
・製造三人前=500PT
】
「たこさんウィンナー」
日本の子供向きであるお弁当では定番中の定番であるおかずだけど。
厩舎お手製のジューシーな仕上がりになるウィンナーを使用するだなんて贅沢だ。切り込みを入れて、少し表面がパリッとなれば出来上がり。飾り付けは今回不要で。
【PTを付与します。
『パリッとタコさんウィンナー』
・製造三人前=150PT
】
「青菜のお浸しは……うーん、小松菜とかがないから。ブロッコリーのお浸しで」
胡麻もないし、油揚げの材料もまだヌーガスさんから届いていないから、醤油と砂糖でさっと仕上げた。
【PTを付与します。
『ブロッコリーの和物』
・製造三人前=150PT
】
「おにぎり、は少し変わり種も用意するから」
ツナマヨ、シャケ、テリヤキチキンに……なんと、オムライス!
コンビニとかで売ってたあれを、前世の時は時々自分で再現してたから作れる。卵が被っちゃうけど、たくさん召し上がっていただけるはずだから多分大丈夫。
チキンライスを作って、粗熱をとってから少し丸くなるように握って、薄焼き卵でお化粧をしちゃって。
他のおにぎりも出来たら、バスケットに詰めて収納棚に。
【PTを付与します。
『色々おにぎり』
・製造各三人前=各500PT
】
最後に、季節のフルーツを贅沢に使った、手作りカスタードと生クリームたっぷりのフルーツサンドイッチ!
これも出来上がって、ラップに包んでから収納棚に。
出来上がったら、夕飯の提供の間近だった。
【PTを付与します。
『濃厚たっぷりフルーツサンド』
・製造各三人前=各600PT
以上をレシピ集にデータ化されました
】
「お疲れ様、先に食べててもいいよ?」
「いえ。まだまだ大丈夫です。明日はお休みですし!」
「無理はしないでね? 中止になって一番悲しむのは旦那様だろうから」
「ほへ!?」
そ、そうだろうか……と、少し恥ずかしくなってきたので、せっかくだからロティと早めの賄いをいただくことになった。
今日の夕飯は、つい先日カレーの提案をした時にチーズの活用法として口にしたミートソースドリア。
手作りミートソースが濃い目で、とっても美味しかったです。
『でふ、でふぅ!』
「うん、美味しいね?」
小部屋でロティと食べながら……明日はどんな日になるか、少し恥ずかしく、少し楽しみだった。
告白の流れになるかはわからないけど、いい思い出になればいいんじゃないかなって、そう思えたのだった。
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