67-1.さっぱりレアチーズケーキ作り!
*・*・*
お昼はさすがにメイミーさんにお願いして、おやつを少し頑張る前に、裏庭で魔法の訓練をすることにした。
二日に一度は、魔力の消費を体に覚えさせないと魔法がまだまだ安定しないから。
ロティの
とにかく、ガンガンガンガン、攻撃魔法メインで魔力を消費していく!
「ぜはーぜはーはーはー……」
「いい具合に消費出来てるし、あたしにも当たりそうになってるじゃない。大したもんよ」
「えへへ。今まで全然魔法使う事なかったから、ゲームの要領だけど」
「いいわよ、全然。今まで出来てなかったんだから、そう言う知識に頼っても」
かく言う悠花さんは、ちっとも堪えてないくらい涼しい顔だ。
やっぱり、SSランク冒険者は伊達じゃないんだね。
「明日は、あたしちょっと冒険者ギルドに顔出ししなきゃだからいないけど。今日はまだ続ける?」
「う、ん。体力は使ったけど、まだ魔力はありそうだし」
魔力の保有量については、前回の訓練後にフィーガスさんから教わった。
意識を高め、身体中を流れている血液に似た感覚を、研ぎ澄ませる事で感知出来る仕組みなんだって。
今確認しても、まだ半分くらい残ってる感じだった。
「じゃ、あたしに一発くらい当てる気で来なさいな?」
「言ったね!」
『頑張ってくだしゃい、ご主人様ぁー』
『頑張るでやんすー』
二人の応援ももらったけど。
ランクD以下の私が出来るわけもなく。
結果的には、悠花さんには一発も当たらずいなされただけに終わった。
ま、当てようにも経験の差が大きいのが無理あり過ぎだもの。
「はい、お疲れ。休んだら、今日はどうすんの?」
「あ、うん。ライオネルさんの要望もだけど、カイル様が食べやすいおやつ作ろうかなって」
「何を?」
「レアチーズケーキ!」
「わぉ!……けど、クリームチーズって手作り出来たっけ?」
「出来るよ?
『なんでやんすか、クリームチーズって?』
『チーズのクリームでふぅ』
「そうね。なめらかなチーズって思ってくれればいいかな? たまに朝ごはんで作るカッテージチーズと作り方はそんなにも変わらないけど」
『ほー?』
だから、水分補給と休息を兼ねて軽い仮眠を取ってから。
気合いを入れて、レアチーズ作りに挑む。
「クリームチーズ作りには色々な方法がありますが、簡易的に出来るやり方をお教えしますね」
「「うん」」
シェトラスさん達も気合い十分。
まずは、大きめのザルと濾し布、ボウルをセットしてシンクの中に置いておく。
そして、コンロの方では大鍋に牛乳と生クリームを入れて火にかける。
ここで、
「温め過ぎないのがポイントなんです。この温度計と言うのが、40の数字のところになるまで温めます」
温まったら、レモン汁と塩を加えてよく混ぜて。
そうしたら、あら不思議?
「これは、カッテージチーズと同じように!」
「あとは水切りさせるのは同じなんですが。カッテージよりは水気を残させるんです」
なので、素早く
ボウルにホエーがたまっていき、ザルには程よく水分が残ったクリームチーズになっていく。
さらに、濾し布で軽く絞っておき。
これでクリームチーズは完成。
一度味見するのに、ミニスプーンで全員に行き渡らせる。
「「ん!」」
『本当に、なめらかで少し酸っぱくて。ほんのりチーズの風味がするでやんすね?』
「同じ乳製品だから、ですけど。これを今日はケーキの材料にします」
レアチーズケーキ用に用意したのは。
クリームチーズ
水切りヨーグルト
生クリーム
牛乳
砂糖
板ゼラチン
水
レモン汁
レモン
プレーンクッキー
無塩バター
「あ、あれ? チャロナくん、小麦粉が一切ないようなんだが?」
「どっちかと言うと、ムースケーキに近いお菓子なんです。わかりやすく言いますと、クッキーを砕いてバターを混ぜて土台を作って、そこにムースを乗せるんです」
「なるほど!」
「それは、旦那様には食べやすいお菓子になるかもしれないね?」
「はい。熱があるときに冷たいお菓子は嬉しいですから」
まず、室温に置いて柔らかくしたクリームチーズを用意して、板ゼラチンは氷水に入れてふやかしておく。
「レイ君には、クッキーを砕いてもらいたいの」
『え、クッキーを?』
「砕いて、型の底に敷き詰めて土台にするの。麻袋に入れて飛び散らないように、麺棒で叩いてね?」
『了解でやんす!』
それが粉々になるまで砕いたら、湯煎で溶かしたバターを混ぜて。
バットの上に敷き詰めた、セルクル型の中にスプーンで入れて押し固める。
これはロティ以外の全員でとり行い、固くなるまで押し込んだ。
「ロティ、
『
クリーム用の電動泡立て器(設置型)になった、ロティのボウルの中にクリームチーズと砂糖を入れて、なめらかになるまで混ぜる。
次に、水切りヨーグルト。
その次に、生クリームを二回に分けて入れ。
今度はレモン汁。
その間に、フライパンに牛乳とふやかしておいた板ゼラチンを入れて火にかけて。
泡立て過ぎず、ゼラチンが溶けたら温度を気にせずにホイッパーに入れてよく混ぜて。
これまた、液体を分けるには便利なハンドル付きロートでレアチーズを型に流し込んで。
冷蔵庫にバットごと入れて、
固まったら、仕上げに可愛くレモンスライスで飾り付け!
「出来ました、レアチーズケーキです!」
「「おお!」」
『綺麗でやんすねー』
『美味ちしょーでふぅう!』
「まずは食べてみてください」
セルクル型をゆっくりと取って、デザート皿の上に乗せたチーズケーキは自画自賛したいくらいいい出来栄えで。
一人一つ。
フォーク片手に、つるんとしたレアチーズをすくい上げ、全員で口に入れたら。
「「『んんん!?』」」
『美味ちーでふ、ご主人様ぁ!』
「うんうん。美味しく出来た!」
レモンスライスの酸味が最初は気になるけど、生クリームを入れて濃厚なチーズクリームが口の中をさっぱりしてくれて。
クッキー生地の部分と一緒に食べると、香ばしさもプラスされてなんとも言えない。
普通、半日以上かかるクリームチーズづくりが一瞬で出来ちゃうんだもの。これは、すっごく便利だ。
(カイルキア様、喜んでくださるかなぁ……?)
いい出来栄えだし、きっとお代わりされるくらい食べちゃうだろうけど。
もう一度お見舞いしたいと思ったので、レクター先生と悠花さんの分もワゴンに乗せて行くことにした。
【PTを付与します。
『濃厚レアチーズケーキ』
・製造50個=30000PT
・食事1個=250PT
→合計30250PT獲得!
レシピ集にデータ化されました!
次のレベルUPまであと4269725PT
】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます