【幕間】ポテサラチーズパンのレシピ







 ★・☆・★







 軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。


 そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。



『ポテサラ……いつ頃生まれたかは定かではないが、いつ頃か各家庭に根付いたサラダの一種。今回はそれをパンに入れて、尚且つ切り込みにチーズを詰め込んで焼いていくのであーる』



 ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上にポテサラチーズパンが浮いている。


 そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。



「あたし、今回も全然出番なかったわ〜」


「レイ君もいるってだけって感じだったし。なんでだろ?」


「あんたが復帰したからじゃなあいの?」


「かなあ」


『さあさあ、こさえていくぞ二人とも!』


「「はーい」」







『熱々カリカリチーズ乗せポテサラパン』





 <材料>


《生地》

 強力粉

 薄力粉

 水

 砂糖

 塩

 ドライイースト




《ポテサラ》

 ジャガイモ

 玉ねぎ

 人参

 マヨネーズ

 塩胡椒

 好みでマスタード



《別途必要》

 シュレッドチーズ

 黒胡椒





『今回は作中通りに作っていきますん。黒胡椒は最後に引く予定で』


「あれはあれで悪くはなかったですしね〜」


「あたしも美味しいと思ったわよ?」


「ありがとうー」







《生地の仕込み》


 ①ナビゲーターが変換チェンジしたミキサーボウルに、材料をすべて投入

 →指定のスイッチを入れてミキシング(速度管理はナビゲーターの管轄)



 ②一次発酵の前に、生地の具合を確認



 ③発酵器ニーダーポット変換チェンジさせたら、付属のボウルに生地を入れて一時間ほど発酵

 →温度・湿度管理については①と同じく







『今回の生地にはバターとか油分を特に入れません』


「フィリング……中身が油っぽいから、軽い生地の方がいいので」


「と言う事は、白パンのような感じかしらん?」


「白パンも一概にバター有りとか無しとか別れちゃうけど」


「そう? ところで、なんでポテサラにきゅうりないのん?」


『じゃあ、聞こうか。マックス、焼いても生地が生焼けになったパンを食べたいかい?』


「やだわ……」


「きゅうりは玉ねぎ以上に水分多いから、パンで仕込むには不向きだしね……」







《ポテサラの仕込み》


 ①皮をよく洗ったジャガイモを、蒸し器でしっかりと蒸す



 ②蒸してる間に、玉ねぎをスライスしたのに塩。人参は薄いいちょう切りにして別鍋で軽く湯がく

 →しばらく置いたら、人参は形が崩れないように。玉ねぎはしっかりと布に包んで水気を絞る



 ③皮がするんと剥けるくらいにまでジャガイモを蒸したら、芽もとりつつ綺麗に剥いてボウルの中に

 →フォークで刺してからやると上手く剥ける



 ④フォークの背で粗く潰す



 ⑤芋の粗熱が取れたら、マヨネーズを大さじ3杯ほど(マスタードはここでボウルの肌に伸ばしておく)

 →ヘラでざっくり混ぜる



 ⑥野菜をほぐし入れて、マヨネーズを大さじ2杯追加。塩胡椒で味を整えながら粘りが出ないようにさっくり混ぜる




『粘りが出ても構わないけれど、せっかくの芋のごろっと感を感じたいのなら。あんまり混ぜないのをオススメしますん。作者の勤務先は、ちょこっと芋感がある業務用のポテサラを使ってますが。それはサンドイッチメインなゆえに』


「サンドイッチでごろごろしすぎると、具材が落ちちゃいますしね?」


『臨機応変。その都度、ってことで』


「ポテサラひとつでも奥深いわ〜」


『わっちも、自宅ではきゅうり以外の野菜放り込んで湯がいてたけど。味がイマイチだった。蒸すとその差は歴然!』





《成形》


 ①発酵後、50g前後に分割していき

 →すぐ作れないなら、発酵器ニーダーポットを冷蔵モードにさせて、鉄板に乗せたら入れて発酵止め




 ②冷蔵から出した場合。

 →麺棒で、短めのベンチタイムを置きながら回数を分けて平たく丸く伸ばす



 ③生地に対して40gほどのポテサラを、アンベラに乗せて生地に包み込んでいく




「全部仕込む途中で、外気温が高い場合はホイロ……冷蔵室に入れておきましょう!」


『ベンチタイム起き過ぎで、垂れちゃうしね……』


「夏場は大敵?」


『冬場は緩みにくいから、それはそれで大変!』


「ですね!」






《焼き》


 ①二次発酵を40分程。発酵したら、上をハサミで十字に切る。隙間にチーズをたっぷりと乗せる。



 ②190度に予熱してある、ナビゲーターシステムのオーブンにて20分焼く



 ③焼き上がったら、すぐに黒胡椒を引く



 ④天板の上でなく、網の上で冷ましましょう







「あんまり天板の上に置き過ぎると、冷めにくいのとポテサラに火が通り過ぎちゃうので」


『チーズはカリカリになっちゃうけど、そこが黒胡椒とも合っておつまみ感覚にも!』


「一個で結構食べ応えあるけど、これは二個以上欲しくなるわん」





 三人の周りがだんだん暗くなっていく。

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