40-1.再ステータス確認
*・*・*
部屋に到着してからは、まずお腹がぺこぺこの
「きゃあああああああ、久々のウィンナーロールぅううう!」
「さあ、食べて食べて」
「遠慮なくぅう!」
なんかロティのようなはしゃぎ方になったけど、収納棚からお皿に出したウィンナーロールを出した途端にこのはしゃぎっぷり。
よっぽど懐かしかったのか、手に取ってすぐに大口開けて食べ始めたのだ。
うん、こう言うとこはやっぱり元女の人でも男らし過ぎる。
「ん、んぅうううう! エスティ達手製のソーセージは言うこともないけど。香ばしいパンと一緒に焼いただけでこんなにも違う? 日本じゃあんまり食べる気なかったのに、チーちゃんのこれは別格よぉ!」
「あ……ありがと」
『んぐぐ。何個食べても……うんまいでやんす!』
『でっふでふぅ! おいちーでふぅううう!』
「ロティ達、ケチャップついてる」
『『あら』』
悠花さんの食リポはいつもの事ながら気恥ずかしく思っちゃうけど。
ロティ達は仲よろしくほっぺにケチャップをつけてた。
そして、レイ君。
さりげなく、ロティのケチャップを人型の指で取ったら口に入れるって素敵技を繰り出すも。
ロティに恋愛脳がないせいか、お礼だけしか言われなかったので、彼は少しガッカリしていた。
「なぁになぁに? あいつ、ちょっと前から変だとは思ってたけど、ロティちゃんに気があるの?」
「あれ、知らなかった?」
「やけにフリーダムに動いてるのが変に思ったくらいね。何も聞いてないわ」
「そうなんだ?」
「そうよん」
昨日の直談判。てっきり、悠花さんに許可を得た上での行動だと思ってたんだけど。
あとで色々言われるかもしれないが、ここは少しレイ君に助け舟をしておこう。
「私に土下座で頼み込んでくるくらい本気だよ? 多分、告白するのはロティのナビレベルの成長具合によるだろうけど。赤ちゃんのままで好きになってるから、嘘じゃないと思う」
「土下座……あたしが昔教えたやつをねぇ? チーちゃんに先に断っておくなら組手の稽古は無しにしておくわ」
私が助け船しなきゃ、レイ君がこてんぱんにされてるとこだったとは。セーフで、本当に良かった。
「ろ、ロティが大きくなったら。きっとお似合いだと思うよ?」
「そうね。精霊の外見は基本的にイケメンか美少女関連が定番だし、あの状態で惚れるって……ロリコン以上だけど、まあ見所は悪くないわ」
「あ、あはは……」
たしかに、今の外見だけだと年の離れた兄妹ギリギリにしか見えない。
ロティは、今のところナビレベルに並行して成長するタイプの精霊だから。多分……頑張れば、一年以内にもっと大きくなるはず。
とりあえず、ロティにはいい笑顔をもらってふにゃふにゃ笑顔になれたレイ君を、悠花さんが少しイラついたのか殴りに行ったことで内緒話は終わり。
改めて、私とロティのステータスを見ることに。
◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯
【
《所有者》チャロナ=マンシェリー(16)
《レベル》31(次までは、残り513567PT)
《ナビレベル》3(次までは、残り344800PT》
[スタミナ]やや減少(187/200)
《
・無限∞収納棚
・ナビ
→ホイッパー三種
→ミキサー機能
→トースター
→オーブンに発酵機能・奥行き拡張
→
→揚げ物フライヤー
・
・タイマーセット同時機能(レベル8)
・複合(レベル2)
★
《特典》
・レシピ集データノート
【レシピ】
〈バターロール〉〈コカトリスの卵サラダ〉〈いちごジャム〉〈カッテージチーズ〉〈山形食パン〉〈ラタトゥイユ〉〈チョココロネ〉〈コーンマヨパン〉〈コーンパン〉…………
………………
…………
〈クオーターピザ〉〈タルトタタン〉〈ウィンナーロール〉
・
◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯●◯
「…………これに、昨日は『進化』の注釈があったわけ?」
「うん。今朝見たら消えてた」
ロティに頼んで、ポスターサイズくらいの紙にコピーして出してもらったステータス。
口にしたように、昨日のパーティーの最中に見た注意書きは、今朝試したからかもうなくなってて。
けど、ロティに聞けば大丈夫だからと、ちょっと楽観的に考えていたんだが。
「ねぇ、具体的にどこで?」
「え……と、タルトタタン食べた後」
「サイラが無理矢理食わせた後よね? レベルアップのあの現象もないのに……?」
「うん。私もロティも全然覚えてないの」
『しょーでふぅ……』
『不思議でやんすねぇ?』
全員で首をひねっても、出てくる答えはないので。仕方なくそこは深く追求するのを諦めた。
代わりに、コロンの仕分けをしようとアイスティーを入れてから挑むことに。
生活魔法の
「1505500……も、かぁ」
昨夜はお風呂の後に、もう疲れちゃったので寝てしまったが。
今は時間が少し迫っていても、出来るだけチャチャっと進めたい。
「振り分けもいいけど……ロティちゃん、ナビの
「え?」
『でふ?』
ちょっと悩んでいたら、いきなり悠花さんがそう言い出すので少し驚いた。
「
「そうそう。外観とかはだいぶ変わったのはさっき聞いたけど。性能としてはどうよ?」
「そ、そうだね。私が勤めてたパン屋とあんまり変わらないくらいかなぁ?」
まだ朝と昼しか使っていないけど、いい使い心地だとは思う。
パン屋にいた頃は、あれよりももっととは思ってた時期もそりゃあったけども。
あれ以上?
「あんたの
『でっふぅ! しょれはコロンの振り分けにもかんけーしてくるでふ。30まで上げりゅと、ゆーかしゃんの言ったとーりになるでふ!』
『ほぉ?』
「そうなの?」
無意識に
じゃあ……と、全部つぎ込もうにも、これだけじゃコロンは足りないらしい。
「複合も、前に使えば使うほどコロンの量が増えるって言ってたじゃない。少しレベルアップさせてチャチャっと貯めたら?」
「うーん。……ロティ、大丈夫?」
個人的に、まだ複合をがんがん使う気にはなれない。
あれっきり、少し疲れる以外大きな出来事はないけど。まだ不安が尽きないのも無理がある。
試しに思いっきり
そんな思いを抱えながら聞いても、ロティは全然気にしてないのかいい笑顔になった。
『あいでふ。大丈夫でふぅう!』
「ビクビクしてるのも分からなくもないけど、自信持ちなさいな。相棒が頑張ろうとしてるんだから」
「う、うん」
なら、今晩の準備から……少し頑張る事に決定。
コロンはとりあえず、
終わって、残ってたアイスティーを一気に飲み干してから、私は立ち上がった。
「この勢いで、マナーレッスンも頑張る!」
「だーいじょうぶよ。社会人経験のあるあたし達程度でもなんとかなるから」
「……けど。悠花さん、今は女の子じゃないじゃない」
「今の母上が面白がって仕込んでくれたことがあんのよ。あたしとレイの
「あ、あの姿のため……?」
『マスターは、あれだとそんじょそこらのご令嬢にも劣りやしませんって』
『でふぅ?』
と言うわけで。
悠花さんも、もうカイルキア様の稽古に付き合う事もないらしいので。
全員で、メイミーさんが待ってる二階の客間まで行くことになりました。
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