ともだち

差し出した手は虚空をさまよい

叫ぶ声は闇に呑み込まれ


暗がりに落ちゆく君を

なすすべなく見ていた



おかえり


よくがんばったね

よく帰ってきてくれたね



差し出された手にも気づかず

耳元かすめた声も空耳と


暗がりに落ちゆくこと

選んだのは僕なのに



ただいま


ありがとう

まさか待っていてくれたなんて



ありがとう 帰ってきてくれて

ありがとう 待っていてくれて


ありがとう


ともだちでいてくれて

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る