【お兄ちゃんズ日誌】 次男・朋 & 三男・直
「おい、直、どういうことだ」
2人が乗ったバスよりも1本早いもので一足先に実家へと到着していた伏見家次男の朋は、最愛の妹からのメールを確認した後で、それの返事を入力しながら弟である直に向かってそう言った。
「何がだよ、このストーカー兄貴」
「誰がストーカーだ。潤が恋人を連れて来るとか言ってるんだが」
「潤だってもうすぐ30なんだぞ? いない方がおかしいだろ」
「おかしいということはない! 潤は、潤は……っ!!」
「ていうかさ、俺としゃべるかスマホいじるかどっちかにしろよな」
「うるさい黙れ」
「そんじゃ黙るわ」
「黙るな、お前の知ってることをすべて話せ」
「どっちなんだよもう」
画面から一切目を離さず、恐ろしい速さで文章を入力していく実の兄に少々……いや、ドン引きしつつ、直は答える。
「俺もそこまで詳しく知ってる訳じゃねぇけど」
そう前置きした上で、名前やら年齢など、ひとつ情報を出す度に「あ゙ぁ゙?!」と声を荒らげる兄を見て、直は――
片岡、頑張れ。死ぬなよ。
そう思った。
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