死者の月、十一月
あれは、そう、
あまり、その頃出歩くのは褒められた事ではないのだけれど。
――ええ、アイルランドの
そういえば、
場所は、道の傍にはぽつぽつと、
ええ、森も近くにあったわ。そんなに都会ではなかったのよ。
当然、人通りも少ないわ。
そんな時のそんな場所を夕方に出歩いていたのだから、
だって、夕方から夜が明けるまでは、
ルーシン、って後ろから声をかけられたのよ。最初は。
当然、びっくりしたわ。
しかも、ふりかえったら、とってもハンサムな金髪の男が立っていたの。
そう、
もちろん、私が引っ越して、だいぶ経っていたから、すぐにはわからなかったけれど。
ええ、ええ、本当にかっこよくて、何重にもびっくりしたわ。
私もきっと、もう少し、注意深ければよかったんだけど、浮かれてしまったのね。
突然、かっこいい人に声をかけられて、しかもそれが実は昔の友達なんて、まるで
でも、そう、だって道を歩いている後ろから声をかけられたのよ、私。
それでびっくりしたんだから、当然、後ろに人の気配を感じていなかったのよ。
でも、誰ともすれ違ってもいなかったのよ。
おかしいと思うべきだったのよ。
――ええ、それが過ぎ去った今となっては何の役にも立たない考えだけどね!
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