人と仙人の思惑が入り乱れての後宮中華ラブファンタジーです。
それぞれに勝ち取りたいものがある様は、まさに遊戯。
そのなかにあり、小羊貴妃・明琳は手作り饅頭を胸に、本気で光蘭帝と関わっていきます。
泣いて、怒って、迷惑をかけ、癒し、それから笑って。
徐々に自分のうちに生まれた想いを育て、目の前の人を幸せにしたいと考えるようになる明琳の元気っぷりは応援したくなります。
光蘭帝も最初こそは皇帝という名の人形のようでしたが、明琳に惹かれ始めてからは、皇帝でありながらも人間で、魅力が増したように感じました。
ほかにも明琳を翻弄するふたりの華仙人や貴妃・蝶華など、一筋縄ではいかないキャラクターが多く登場します。
誰もが、自分のなかに譲れないものを持っていて、その生きざまが本作最大の魅力なのではないかと感じました。
英国悪女と中華後宮遊戯を同時に提供する作者様の作品の幅広さには頭が下がります。
今後のご活躍も期待しております。
明琳のお饅頭、食べたいなぁ……。
女性向けなので合わないかもと思ったのですが、結局なんだかんだで最後まで見てしまいました。
文体は高度でしたがロジックが分かってからは日ごとに読む量が増し。
後宮にも全く馴染みが無いので何もかもが新鮮でしたね。
男目線からだと何かともどかしい所もあるのですが、女性なんてそんなもんですから。
各登場人物の完成度は特に高い。
最初から何かいけすかない匂いを感じていた者は結局最後には悪者でしたし、完全にいい人というのもいない。
皆各々の考えを持って互いにリアルにぶつかり合う。
お気に入りだったのは蝶華だったのですが、やはりというか物語の鍵を握り、途中色々あるも結局最後まで鍵は握ったままでしたね。
私の目指す形に近い物を感じました。