ことのはの迷宮 ~而して彼女は黒猫と共に文字の淵を渡る~

作者 三ツ葉亮佑

武器は己自身!己を殺し、己を超えた先に有るものは?

  • ★★★ Excellent!!!

刑の軽減を条件に持ちかけられたのは、意外すぎるほど意外な行為――『一冊の本を読む』ということ。

もちろんこの本、ただの本ではありません。
これまで誰も最後まで辿り着くことが叶わなかった、いわば『呪いの本』です。

ひとたびページを開けば本に取り込まれ、異世界ならぬ奇世界に堕ちるという処分もままならない曰く付き。

そこに広がるのは、他でもない『己自身の物語』なのです。

今作のヒロイン・涼子は罪人ではあるものの、高い知性と強い精神力を見込まれ『本の読破』に挑むこととなるのですが、序章から既に地獄の様相。

何故なら、彼女の人生は始めから狂っていたから。

希望を抱くそばから摘み取られていく残酷な『己の世界』で、それでも果敢に駆け抜けつつ冷静に受け入れ、物語を紡いでいく涼子。

彼女の言動行動の端々に、内に秘められた芯の強さが光る様は、まるで闇を切り裂く一筋の雷光のように強く美しく、その輝きに目を射られながらも追い縋らずにはいられなくなりました。

対峙するのは、己自身。
武器となるのも、己自身。
また絶望を与えんとする相手も、己自身。

涼子はこの物語を終わらせることができるのか?
終焉の先に待ち受けているものは新たな未来か、それとも――?

一章を終えての感想になりますが、続きも楽しみにしています!

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