第83話 教訓

「会社は嫌いだが、チームメイトは好き」

よくある話だ。


この球団は、その典型とも言える。


二日後、当然ながら観にいった。

所沢から藤井寺までは、遠いが瞬間移動なら一瞬。


今回は、記憶を消していない。


胴上げを見届けた後、かすみにアイコンタクトをする。

もう、ツーカーの仲になっているので、外へ出た。


歓喜の声が、聞える・・・


「お兄ちゃん、日本シリーズ・・・」

「興味ない」


さてと・・・


「そろそろ合流する?豊さんと・・・」

「お父さんと・・・いいの?」

「うん」


かすみは、豊さんに連絡を入れている。


この時代、まだスマホとかはない。

周りは珍しそうに見ている。


まあ、スマホではないのだが・・・


「お兄ちゃん」

「どうした?」

「当日に現地でおちあおうって・・・」

「ベルリンで?」

「うん」


まずくないか・・・


後、一か月近く先だが・・・

どうしようか・・・


「お兄ちゃん」

「何?」

「なら、付き合ってくれる?」

「どこへ?」

かすみは、微笑んで答えた。


「私も、見てみたい物があったんだ」

「この時代に?」

「うん」

「いいよ」

「ありがとう。じゃあ、行こうお兄ちゃん」


最後まであきらめてはいけない・・・


何事もそうだということを、学ぶ・・・

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