第70話 目的
アニメ
パラパラ漫画の要領で、紙に絵を描く。
しかし、それを仕事としているアニメーターは大変。
毎日、何百枚と描いて、月の給料は三万もらえればいいほう。
休みも少ない。
一人前になれる人はわずかだが、仕事が嫌になり、辞めていく人が多いためだろう。
アニメを作るにはお金がかかるので、人件費にしわ寄せがいくんだな・・・
しかし、僕が勤めている「アスミー社」は、やや違う。
アニメーターに絵を統一させるために、僕にいろいろな角度からの、
絵を描かされてたが・・・
未経験の僕に、いきなり、原画を描かせていいのか?
夢中だったが、冷静になると、おかしな点がある。
しかし、今更ながら、これと未来を変える事とどう関係あるのか、。
理解に苦しむ・・・
「このアニメは、普通のアニメではないんです」
「リン?」
リンが近づいてきた。
「このアニメの公開は、まだ1年以上先なんです」
「えっ?」
「だから、時間的には余裕があるので、アニメーターの方も、
それほどは、酷ではないんです」
そういう問題ではないんだが・・・
「それに、うちではコンピューターにも、動画を描いてもらっています」
「コンピューターにも?」
「ええ、まずコンピューターに描いてもらい、それを人の手で修正するんです」
ご都合主義だな・・・
「それに、今回あなたに原画を依頼したのは、他に目的があるんです」
「目的?」
「ええ、妹さんも知ってますよ」
「かすみが?」
リンは、笑って頷いた。
その日は、早く帰宅した。
「かすみ・・・」
「わかってるよ、お兄ちゃん」
「えっ」
かすみの表情は、真剣だ。
「話すね。お兄ちゃんを連れてきた、別の目的を・・・」
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