第19話 兄妹水入らず
「えーと、ルートは自由でいいんだよね、かすみ」
「そうだよ、お兄ちゃん、地図見せて」
「地図?」
「そう、路線図」
僕は、かすみに路線図を渡した。
「この時代って、こうなっているんだね。
日本列島の形も、歴史でしかしらないから・・・」
よく「地球は子孫からの預かり物だ」という。
その預かったものを、かすみの時代から見た祖先を、
「俺たちの預けた者を」と、さぞご立腹だろう。
以前、かすみの時代に行った時に責められなかったのは、
もう、あきれていたのかもしれない。
「お兄ちゃん」
「どうした?」
「考え事?」
「うん」
「何?」
本当の事は言えない。
「いや、計画立ててたんだ」
「計画?」
「うん。どうせなら効率よくみたいだろ」
「何言ってるの、お兄ちゃん。風邪ぬ吹くままがいいんじゃない」
行き当たりばったりってことか・・・
チラシを見てみる。
「かすみ、行き当たりばったりとはいかないみたいだよ」
「どうして?」
「ほら、商店街が指定してある旅館があり、そこだけだよ、面倒見てくれるのは」
「他は?」
「自腹」
「聞いてないよ」
いや、よく読んでいなかったこちらにも落ち度がある。
「しかも、列車はJR線だけだ」
「他にも、鉄道ってあるの?」
「僕から、読みとらなかったっけ?」
「そこは、生活には必要ないので、省いたの。教えて」
僕は、出来るだけ詳しく説明した。
鉄ではないので、あまり詳しくはわからんが・・・
「私、出来るだけ、多く見たい」
「かすみは、何が見たいの?」
「北海道に行ってみたい、壮大なんだよね」
こうして、まずは北海道に向かった。
いくつ見れるか、わからんが・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます