第91話
『さっきの壊れた瓦礫の所に来たけど、砂には見えないわよ』
お昼休憩の後に早速建材の謎を調べるべく瓦礫の調査へ来たわけだが。
結果は建材は謎なまま、こりゃ僕の持ってる学術系の分野じゃないな。
鉱石学とかそっちの分野か? もしくは建築学とかかね。
『何もわからないなら中に入ってみないかしら?』
サクは瓦礫の一部を横へどけて部屋の中への道を作り始める、他人様の切り開いた道を堂々と入ろうとする、この前盗賊呼ばわりしたソーヤーと変わらぬのでは。
そんなふうに撤去作業をするサクを尻目に何か少しでもわかるまいかと建材を調査
叩いたり触ったりする限り表面がザラザラしてるしやっぱり砂だと思う。
何かが作用して甲板で砂に戻ってしまったんだ、そのなにかは簡単だな、推測でしかないから実験も必要だが。
『開けたわよ、それと後ろから人が来てるわ、さっきの戦士ねあれ』
サクが撤去作業を終えてこちらに振り向くと同時に前方から誰かが来たことを知らせてくれる、先ほど魚人との共闘したハンマーの戦士さんと後は誰だろう?
『どーも、お二人もこの家の調査に?』
『ええ、瓦礫を調べてたんですよ、この瓦礫、普通じゃなかったので』
『普通じゃないんです?』
ハンマーの戦士さんの横で黙っていた女性が会話に入ってくる。
ホットパンツにシャツに上着とかなりの軽装、へそだしがチャームポイントかな。
中学生くらいの背丈ですらっとした体形のショートヘアの女の子だ。
『どうも一癖ありそうな代物でしてね、碌な調査は僕の持つ学術系のスキルでは出来ませんでしたけど。お二人は調査ですか? 先ほどの魔法使いさんは?』
ハンマーの戦士さんと軽装少女が言うに魔法使いさんや他のチームのメンバーは
用事があるから次のログインは夕方以降、その間に手の空いてる二人で少しでも探索を勧めてみようという計画だったようだ。
『私達も同行していいかしら、2人よりも4人よ』
『あざっす、是非おなしゃす』
というわけで、二人と同行することにハンマーの方はアイン君、軽装少女の方は
たこやきさんとの事、というわけで瓦礫をどけて壊した壁から侵入。
この穴はアイン君と仲間の一人が扉が開けれないなら壁を壊して入ろうという逆転の発想の元開かれたとの事、さて部屋の中に入ってみて何があると言えば。
『何もなさそうですね』
見た感じは何も無さそうな感じ、家具すらない部屋だ……ふむ。
『アイン君のチームって開錠スキル持ちはいたのかな?』
『いたにはいたんすけど、扉はがっちり開かなかったんすよね』
『そうなんだよねー、悔しかったなぁ』
どうやらたこやきさんが開錠スキル持ちだった模様、聞いたところ20くらい。
じゃあ、僕がやっても変わらないか、かなり厳重に閉められてるってわけだ。
ま、今は入れたからいいとして、この分じゃおけらかな?
『3人とも、何もないってわけじゃないみたいよ、ほらここ』
サクが何かを見つけたらしく僕らに壁を見るように指をさす。
壁にはこんな感じの者が描かれていた。
? ? ?
・・・・- -・・・・ ・・・・- ----・
・---- ・---- ----・ ・・---
・・--- ・・・-- ----- ----・ ・・---
? ? ?
…………ああ、そういう奴ね把握、ほかの三人はと言うと首をかしげて何が何やらといった感じ、まぁ僕も先ほどの事件が無ければなんぞやと首を傾げていただろう。
『さっぱりっすね、こういうのはピコ任せですし』
『ピコちゃんならパパっと解決だよねー、撮影して後で見せよ』
『ピコちゃんって誰の事かしら?』
ピコちゃんとは先ほど僕にモールス信号で救難信号を出してくれた魔法使いだ。
なんでも暗号とかその手の代物が大の得意らしい。この場にいれば楽が出来たな。
『何もなさそうですし、別の所行くっすね、お姉さんたちもお互いに頑張っス』
『頑張っス!』
『いや、ちょっと待っててくれない?』
『何言ってるのよ? 私達も別の場所を調べましょう』
『我々は鼬也や、執拗と言われ続けようと、獲物を追い続ける探索者也』
カーレッジも呼び出し部屋の床の砂を払い堀起こす、壁の文字だけじゃない。
あれが暗号ならあれで開く扉があってもおかしくないはず……
『なんかかっちょいいっすねその言葉、それと扉じゃないっすか、開きます?』
よしビンゴ、扉発見、さてと、おあつらえ向きにボタン式施錠がされてるよ。
数字のボタンしかないなら簡単だ。あそこの暗号も全部数字を表してるんだな。
『多分ね、あの壁の暗号を解いたのがこの扉のダイヤルの数字になるんだと思う』
『それじゃ4人で解いちゃいましょう! これは探索者の意地の見せどころだよ!』
『いや、解くよか簡単な方法あるから、ちょっと待ってて、一端ログアウトする』
そういってから僕はログアウト、そこからの行動は早い、そそくさと必要な事をして再度ログインして海へと戻る。
『お待たせ、誰か来たりはしなかった?』
『魚人が数体来たくらいかしらね、片っ端から切り捨ててやったわ、でこの鍵を開ける簡単な方法って?』
『もしかしてもう探索されてたから掲示板に答えがあったとか?』
『えー、そんながっかり展開ごめんだよー』
『その可能性は大丈夫だと思うよ、さてこいつはだねリドルなんかじゃないんだ
現代にも存在するある専門的知識に則った符号さ』
壁の点と長音を確認しながら、メニューを開き用意してきたこの暗号もとい符号を記してある画像を開き確認。
『もしかしてそれ、魚人に襲われてた時にピコが使ってた奴』
『モールス信号だよ、あの時使った所を見てなければすぐには思い出せてないね』
『モールス信号? ってなーに、アイン君知ってる?』
『一応、つっても全部覚えてはないぜ、ピコなら即行解けてたな』
こんなもんそういう方面の趣味でもない限り覚えてるわけないしすぐに思いつくわけないだろう。制作者は何を考えてモールス信号を解読して開く扉なんて作ったんだか。押す順番は上から順番かな? ダメだったら反対側からだ。
4649 1192 23092っと、さてどうかな?
小さな音がすれば扉が動くようになった、よし開いたな。
さっそく開けてみれば扉が開くのと同時に砂が舞い散る。
『よっしゃ、開いた! 凄いっすよ、コージィさん!』
『この下に何があるのか、さっそく調査団は潜入を試みたいと思います!』
『誰に向かっていってるのよ、たこやき』
『こういうのは雰囲気なんですよ、サクお姉さん!』
『それじゃ僕とカーレッジが前に出るよ、光源はライトしかないだろうしね』
僕らはさっそく、地下へと降りることにしたのだった。
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