第17話
昼休憩も終わりさっそく、ログインする。場所は草原の森が見えてきた場所。
すぐにテントを撤去して歩き始める、そろそろ森についても可笑しくはないはず。
歩き始めれば、森の全容がわかり始めた、それなりの規模といった所だろうか
遥かに広がる草原よりは小さいが、それでもそこそこの大きさだろうか。
一応、端が見えたので森はどこまでも続いてるというわけじゃなさそうだ。
すると、森の中からゴブリンがこちらに向かってきた、しかしそのゴブリンはいつもと違っていた。なんと、狼にまたがっているのだ、その狼にまたがるゴブリンは、狼の速さを持って突進をしてくる。僕は大きく横に飛び、その突進を避ける、こうして避けれるのも回避スキルの賜物と言っていいだろう。そして反撃へと移る杖をゴブリンへ向け風の矢を発射するも避けられてしまう。
普通のゴブリンであれば、今の風魔法のスキルであれば当てるのは容易だ、しかしこいつは普通ではない。ウルフにまたがることで機動力を確保しているのだ、狼はゴブリンを乗せながらも素早い動きで矢を躱したのだ。風の矢が避けられることに現在が不利な状況と思い知ると、またしても突進攻撃が来る。
次の突進は急な物でもないので余裕を持って躱すのだが、これも奴らの策だった、避けた先目の前から弓が来ていた。すぐに盾のついた腕を真正面に持っていき、防御するも、一発は肩を射抜く。
多少HPが成長するスキルを身につけたと言っても、防御は低いので当たらないに越したことはない。
ここはあの魔法で切り抜ける他ないだろう、弓を放ったゴブリンは放置、まずは狼にまたがるゴブリンから倒す。杖を両手に持ち、構える、剣道で言う中段の構えだ、そしてそのまま気合を入れるための魔法を叫び振りかぶる。
「ウィンドカッター!」
放たれた風の刃はアローや横薙ぎのカッターよりもより速い速度で狼とゴブリンを真っ二つにしてしまう。このウィンドカッター、どうやら杖の振り方でその性質が変わるのである。横に振るうと威力が低いが広い範囲への攻撃が、そして縦に振れば、やはり威力は低いが今僕が出せる一番の速さの攻撃ができるのだ。
威力が低いとは言っても、スキルが十分に伸びた僕であれば、ゴブリンとウルフは余裕の撃破である。他、弓ゴブリンの方は、弓を盾で防御しつつ、風の矢で撃破、盾を多用した成果として最近ではスキル「盾術」なんかが身についた。
そして、これが最後の難関であったのだろう、僕はとうとう、森の入り口かは分からないが、とにかく、森に入れる場所までたどり着いたのだった。現在時刻は14時大分歩き続けてきたようだ、すでに空腹度もスキル使用限界、今から森を探索するとなれば夜になる、ここでキャンプを設営するとしよう。
この後は夜になる、しばらくスキル上げを行った後にログアウトして夕飯を摂り、復習、朝の時間になるころにログインして、さっそく森の探索としよう。
残りは今日含めずして4日、どうか、この4日の間に成果が上がればいいが、こういう時、きっと探索者が祈るのが幸運の鼬なのだろう。僕もそれに倣うがごとく、頭の中で鼬を思い浮かべ念じるのであった、どうか森に何かありますようにと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます