なんか特殊能力増えてる
「うまー!」
久しぶりに食うとハンバーグってこんなに美味しかったか?
いや、俺が適当に作ったやつではなく、メイドたちが俺の必要最低限の説明を聞きながらなぜか即席でアレンジし、肉汁がこれでもかというほど出るやつを食べさせてもらっているというのもあるが。
俺があんな適当な説明しているそばから的確なアレンジしてるの凄すぎるだろ。
この辺りは努力だけではどうにもならない壁を感じるよな。
元々多才なやつメイドとして主人に尽くすことを夢見て研鑽を積んでここの領域にくるんだろうな。
「おはようございます!」
「「「おはようございます!」」」
「おはよう。ちょうど良かった。少ししかないが、感想を聞かせてくれ」
ちょうど今日のラーメン屋のために出勤してきた10人に2口ずつほどハンバーグを食べさせる。
「うまっ!」
「え、これ、凄くおいしい!」
「というか、こんな大きなお肉食べたのいつぶりだ?」
とても好評である。
ハンバーグのいい点はひき肉、つまり色んな部位のお肉を混ぜることが前提であるという点である。
何が言いたいかというと、特に高級な部位などなくても美味しくできるのだ。
それも、かなりのボリューム感である。
大きさの調節が簡単なのもいいところだ。
子供用なども作りやすい。
「これは今度からお店で出すやつなの?」
「いや、今度協力関係を結ぶことになったところがあってな。そこにこのメニューを提供しようと考えてるんだ」
「ふーん。こんなに美味しいのに、もったいないなぁ」
リアーネも言う通り、あげるのにはもったいない出来である。
「アン、ドゥ、トロワ」
「「「はい」」」
「向こうのコックが来たらハンバーグを教えるのはお前たちに任せる。だが、あくまでクオリティはあまり高めるな。俺のやつをお店で出せるレベルにしたってくらいでいい」
「「「かしこまりました」」」
確かに、そこらでは食べられないレベルにまで一瞬で昇華させてしまっているのだ。
この前のラーメン作りでそういう感覚が身に着いたのかもしれない。
にしてもおかしいが。
「さ、今日も頑張って働いてくれー」
「あんたもちゃんと働きなさいよ」
「リアーネ君」
「な、なによ」
「それが社長に向かってものをいう態度かね」
「ぐっ……! 卑怯よ! 職権乱用だわ!」
「はっはっは! なんとでも言いたまえ!」
やはり偉そうな言い方を意識するときはム〇カ大佐に限るな。
絶妙な腹立たしさがある。
「まぁ、冗談はともかくだ。そろそろ一人前とは言わずとも、半人前以上にはなってもらわないとな」
「う。が、がんばる……」
どこら辺が一人前かは知らんが。
俺が教えなくてもいいくらいってことにしとくか。
そもそもその為に増やそうと思ったんだし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます