ボスは必ずと言っていいほど本気を出していない
「あたしに任せてくれればすぐなのになぁ……」
「ハンネには発言権ないから」
「流石に酷くないかい!?」
もはやこのくらい当然だ。
「レイン、大丈夫そうか?」
「2人くらいなら問題ないですけど、この先重傷者が増えてきたときは対応できないかもです。僕も戦闘に参加してるでしょうし」
「そうだよな」
今は特に前線に
ここのバランスも課題だな。
「エルメの様子はどうだ?」
「問題ない、とおっしゃっています」
「流石だな」
その対応を任せたのだが、余裕なようだ。
やっぱり問題は如何にして幻想級を倒すかだな。
周りの奴は最悪キラに任せればなんとかなるだろう。
その場合キラは幻想級の方にこれないってことだからそれも問題だけども。
「リブレさん! 幻想級が越えてきました!」
「嘘だろ!?」
駆け込んできた兵士さんの一報を聞いて慌てて飛び出る。
幻想級の移動スピードならあと20分はあると思っていたのだ。
しかし、その予想が外れたとなると1人で戦っているエルメがヤバい。
到着すると、なぜ幻想級が予想より早く小山を越えてきたのかがわかった。
レインの作った山にちょうど人1人分くらいのトンネルが開いていたのだ。
さらに、周りに湧いているエネミーの数も多くなっている。
「リブレ!」
「エルメ! 大丈夫か!?」
「大丈夫は大丈夫だけど、そろそろきついわ!」
「私たちは行けるわ!」
「頼む!」
もう少し休憩させてやりたかったのだが、そうも言ってられない。
エイグを筆頭に、傷を負っていない者たちはエルメのサポート及び戦闘に加わってもらう。
「もしかして、周りの質量物も吸収するようになったのか……!?」
先ほどまでは淡い赤色だった幻想級の目が強い赤色になっている。
やっぱ2段階目はあったな。
移動速度は変わっていないようだが、周りのエネミーの対応もきついし、なにより質量物を吸収されるなら物理攻撃が効かない。
それどころか、体ごと持っていかれる可能性すらある。
「周りのエネミーは俺が分断させるから、各個撃破で!」
仲間とエネミーの位置関係を見ながらステッド・ファストで囲っていく。
俺が全部囲っていれば解決なのかもしれないが、幻想級を倒す目途が立たないうちにそれをやっては俺の消耗が激しい。
問題は、どの範囲までの質量物を、どのように吸収するのか。
トンネルから考えると体の周りごく一部しか吸収しないと考えられるが、そんな保証はどこにもない。
誰かが体を持ってかれてからでは遅いのだ。
「幻想級には近づくな! 持ってかれるぞ!」
とりあえず銃で様子を見る。
こいつはとにかく当たらないので、数をこなさなければならないが、先ほどまでは確実に効いていた。
これが効くかどうか。
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