ある寝起きの2方面
「ふぁっ!?」
起きた瞬間変な声が出てしまいました。
というのも、僕が椅子で寝ていたのはともかく。
隣で寝ているリブレさんの肩に寄りかかってしまっていました。
なぜそんなことに?
えっと、昨日は疲れてて。
だからお風呂に入る前に椅子でそのまま寝ちゃったんですよね。
でも、なんでリブレさんがここに?
しかも、いつも正面なのに隣に?
考えれば考えるほど混乱してしまいます。
でも……。
折角ですから……。
もう少しだけ……。
「ふあぁー……」
やっぱ椅子は固いな。
眠れたと思っていても実際にはあんまり回復できてない感じが凄い。
えっと、もう午後10時だろ?
けっこう寝たなぁ。
「お」
横を見ると俺の肩に寄りかかってレインがまだ寝ていた。
寝起きのいいレインがまだ寝ているとは。
本当に疲れてたんだろうな。
ただ、もう起こさないと。
「レイン。そろそろ起きないとだぞ」
「ん……」
まだ寝ぼけているのかなんか艶っぽい声を出すレイン。
それ13歳の出していい声じゃないって!
「レイン。起きろ」
「え……。はい!」
突然覚醒するレイン。
「おはようございます!」
「お、おぅ。おはよう」
なぜそんなに真っ赤になるよ。
「あ……」
何かに気づいて真っ赤のまま後ずさっていくレイン。
なんでよ。
「し、失礼しますー!」
回れ右からの猛ダッシュで2階へ駆けあがっていった。
何があったんだよ。
思ったより寝ちゃってました!
まさか起きないことで有名なリブレさんより後に起きることになってしまうなんて……。
それに、僕そういえばお風呂に入ってなかったんでした!
たぶんリブレさんもですけど。
くさくなかったでしょうか。
自分ではわからないから、そこが怖いです。
くさいとか思われてたらどうしましょう。
ちなみに、リブレさんの匂いは嫌いじゃなかったっていうのは秘密です。
脱衣場の扉がバン! と閉まる音を聞いて察する。
あ、なるほど。
体臭を気にしていたのかな。
俺はなにも気にしていなかったけど。
むしろいいにおいするなぁと思っていたのは秘密にしておこうか。
なんか言われそうだし。
「プリンセー。起きたほうがいいぞー。可哀想だからー」
今日は無理言ってプリンセに一人で寝てもらったわけだが、なんとオーシリアにヘッドロックかけたまま眠りについていたのだ。
一番ヤバいのはそのままの体勢で眠れているオーシリアの方だとは思うが。
プリンセは俺のお腹の上じゃないとオーシリアにヘッドロックかけるんだな。
貴重な情報だ。
「……ん」
「おはよう」
「……おはよう」
「とりあえずその手を放してやってくれ」
「……ん」
スッと手を放すプリンセ。
その状況は把握済みだったのね。
なんでこうなってるんだろうって疑問はないんだ。
うん、それはそれでどうかと思うぞ?
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