数によるごり押しって強力だよね
「これは、本気か?」
「うん、そうだったと思う」
プリンセが言ってくれた情報をもとに地図に戦力を出してみる。
「ほんとにこんな形でくるのか……」
その情報というのは、ライオンやチーターなどの肉食獣の部隊が砂漠を横切って一直線に攻めてくるというものだった。
しかし、その作戦の無謀さを打ち消すかのような数!
ライオン、チーター、ヒョウ、鷹、熊族のそれぞれ500名程度が襲ってくるらしい。
さしあたって、
「鷹族って飛べるの?」
「うん。わたしたちと同じように変身して飛べるよ」
「そうか」
そうだった。
「鳥って手足はどうなってんの?」
「? 爪、みたいなのがあるとおもう」
あー。
かぎ爪か。
ん?
ってことはだ。
「プリンセ。手を見せてくれ」
「え? はい」
おぉ!
「肉球だ!」
おぉ……。
ぷにぷにしてる……。
「くすぐったいよー」
なぜ!?
なぜこの事実にもっと早く気が付かなかったのか!?
「リブレさん、怖いですよ……」
はっ!
危ない。
理性が……。
「して、この状況をどう打開していくかじゃが……」
無理やり王様が話を戻す。
「なにか策はあるのか?」
「いやー、戦争の話を聞いてから考えてたことはあるんだけどなー」
「ほう? 素晴らしいではないか」
「でもさー、この作戦はだめだな多分。また新しいの考えるしかないな」
多分多大な犠牲が出るし。
「報告します!」
近衛兵のような方が走りこんでくる。
あー、こういう時って大抵……。
「偵察隊が敵国の動き出しを確認! これより出兵し、こちらへ攻めてくる模様!」
そういうことなんだよなー。
「リブレ、四の五の言ってる場合ではなくなったぞ! すぐにその作戦とやらを皆に共有せい!」
「そうするしかなさそうだな…」
早くしないとほんとに犠牲が出そうだし。
「王様、あんたの
「そうじゃが?」
「なら水の扱いに長けてるっていう認識でいいんだよな。更にルーリアの親なくらいだから魔力量はそうとうなもんだよな?」
「その通り!」
エルランドが胸を張る。
「じゃあ、広範囲に霧を張ることってできるか?」
作戦の根幹となる部分を聞いてみる。
「あー、そういうこととなるとのぉ……」
ん?
歯切れが悪いな……。
「たぶん無理なんじゃないかのぉ……」
なんでだよ!
【水王】だろ!?
水くらい自由に操って見せろよ!!
「役立たずか!」
「わしは細かい魔力のコントロールが苦手なんじゃよ!」
役に立たねーな!
「あのー」
「レイン?」
「多分僕なら霧作れると思いますけど……」
おぉ。
救世主が!
「どこに作るんですか?」
「えっとな、あの砂漠の上」
「馬鹿じゃないんですか!? あんな日照りが凄いところに霧!? できるわけないじゃないですか!!」
そこは魔力で……。
「圧倒的に足りません!!」
あー。
いきなりこの作戦頓挫したな。
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