寝ぐせの原理ってどうなってるんだろうね

ケインの作ったロフト(?)で一夜を明かした後……。


「リブレさーん、起きてくださーい」


レインか……。

もう5分だけ……。


「だめですよー。もうキラさんたちも帰ってきましたし」


じゃああと1時間だけ……。


「いやなんで伸びるんですか!? しかも誤差じゃ済まないレベルで違いますよ!?」



「まぁ、ここはあたしに任せとけって」

「何する気ですか、ハンネさん?」

「なぁに、昨日作ったよくわかんない液体のにおいを嗅がせてみるだけだって。ほら、臨床実験ってやつだろ?」

「いや、臨床実験ってそういう意味じゃねーから!!」


跳び起きざるを得ない。


「え? 違うの?」

「その理論だと夜なら大抵の奴になんでもしていいことになっちゃうだろ……」



「やぁ、おはよう」


キラが朝から好青年スマイルを振りまいててまぶしい。


「今ふと思ったんだけど、お前寝ぐせとかつかねーの?」

「うーん、気にしたことなかったけど。つかないみたいだね」


レインのさらさらヘアーでもあるのに。

どんな原理なんだ。



「で? あたしをここに呼んだってことは、なんか複製してほしいんだろ?」

「話が早くて助かる」


レインが昨日の余りもので作ってた朝ごはんを食べながら話を進める。


「僕は偵察に行ってくるね」

「あぁ、頼んだ」


キラは偵察に行ってくれたし、


「ハンネにはできるだけこれを複製してほしい」

「? 手鏡かい?」



「そうだ。これで目くらましをする」

「こんなちっちゃいのでいいのかい?」

「むしろこれが最適だ」


今回は少ない光量から如何に多くするかが成功の鍵となる。

大きい鏡だと余計なスペースをとってしまい、非効率的だ。

手鏡で何度も分割した鏡をキラがついでに持ってきてくれた大きめの鏡に集約して相手に当てるのが望ましい。


「でも、その光の集約する計算とかはどうするんだい?」


う。


「そこはほら、科学者の腕の見せ所じゃないか?」

「丸投げかい……」


そんなの俺にできるわけがない!


「そんな胸張らないでくださいよ……」



「俺はどうすればいい?」

「ケインは他に作ってもらうのがあるんだ」


そう言って昨日猪のエネミーを倒したあたりまで行く。


「ここでなにをしろと?」

「昨日お前がレーザーでエネミーの脳天ぶち抜いただろ? あれが岩に当たった後を見てみたらそこだけ溶けてたんだよ。それもきれいな半球状に。ってことはだ。この岩にはお前のレーザーの熱が放射状に広がるってことだ。だから、……」

「いや、そんなこと言われてもわからん。つまり、俺はなにをすればいいんだ?」


……。


「こんな形のアンテナを作ってほしいんだ」


あらかじめサイズを書いていた紙を渡す。


「アンテナってのは聞いたことねーけど、ここら辺の岩からこれを作っときゃいいんだな?」

「あぁ。頼むよ。くれぐれも大きさとか、バランスは間違えるなよ?」



よし、これで2日後には余裕で間に合うだろ。


「リブレ君!!」


キラが戻ってきた。


「大変だ! 彼らの動きが早くなってる! このままじゃ明日の昼にはぶつかるかも!」


はい、余裕なくなった。

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