なにかしらゲーム考えた人って天才すぎん?

「いや、これ普通にやばいぞ……」


牢屋の中で呆然と呟く。


「固まっちゃっててなにもできずにすいません……。そういえばリブレさんってなにもかも不明な謎すぎる人物ですもんね」


なんでそんなに落ち着いてんの!?


「いや、ほんとに! 国家滅亡より先に俺たちの命が危ういぞ!」

「さすがに処刑は王様がとめてくれるでしょう。多分……」


諦めたようにレインが呟く。

それもそうか。



「で、その寛ぎぐあいってわけ?」


様子を見に来たハンネが呆れたように言う。

そう、俺は紙とペンを貰ってついにあれをこの世界で発明したのだ!

そう!


トランプである。



とりあえずレインにババ抜きのルールを教えて二人でやっていたのだが……。


「二人だと思ったより楽しくない」

「そうみたいだね」


この世紀の大発明は不発に終わったのだった。

そもそもトランプってパーティーゲームだしね……。


「私も混ざってみていいかい?」

「やった!」


3人なら楽しいかもしれない!



「で、その盛り上がりってわけですの?」


衛兵から様子を聞いて駆け付けたルーリアが呆れたように言う。


「これが3人になった途端おもしろいんだ!」


3人になったら起こった化学変化。

そう!

超絶面白かったのだ!

当初はハンネは牢屋を介してやったいたのだが、


「この柵邪魔!」


って言って入ってきた。

衛兵も呆れている。

あの後大富豪とポーカーも加わり、バリエーションを増したトランプはますます最強に!


「私はババ抜きが好きです」

「あたしはポーカーだね。駆け引きが楽しい」


ちなみに俺は感情が読めてしまうため視界をあり得ないほど制限されている。

自分の手札も見れないくらいだ。


「私も混ぜてもらってもいいですの?」


テレレレッテレー。

リブレはルーリアを仲間に迎えた。



「ルーリア、お前まで混ざってどうする……」

「申し訳ございません……。あまりにも楽しそうだったので……」


ルーリアも戻らなかったので遂に王様とお后様がルーリアを迎えに来た。

こいつに命令できるのこの二人だけだろうからな。

あの後、七並べも追加され、ルーリアとレインが育ちの良さを発揮。

圧倒的記憶力でゲームを進めたりしていた。


「ちょっとわしも混ぜてもらっても……」

「駄目ですよ」


お、お后様から尋常じゃないオーラが出てる!

この人もしかしてこの国で一番強いんじゃね?

王様はすぐ引き下がったし、レインは怯えて俺の後ろに隠れて、ハンネですら直立不動になってる。



「わたくしの権限で釈放して差し上げます。ついていらっしゃい」


お后様がそう言うのでついていく。

あれ?


「あのー、こっちって謁見の間じゃありませんよね?」

「えぇ、記憶力がよろしいのね」

「昔から道順を覚えるのには定評がありまして……」



着いた先は……軍事対策室?

中に入るとキラや他にも強そうなのがずらっと並んでる。


「そこにおかけになってください」


示されたゲスト席みたいなところに腰を下ろす。

そしてお后様は奥へと歩いていく。



ザッ!

周りの人たちが一斉に立った。

え? なに?


「お座りなさい。今は礼節を重んじている場合ではありません」


そう言って本人も腰を下ろす。

あー。



「キラ。もしかしなくてもお后様って……」

「うん。たぶん予想通り、この国の軍事顧問だよ。そしてこの国の最終兵器でもある」


そりゃ強いわけだ……。

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