王の試練
「いやいや待って待って!!」
「問答無用ー!」
王様が巨大な
「待ってくださいお父様!」
きたー! 救世主!
「なんじゃルーシア! わしはお前を泣かせた輩を殺すところじゃ! 邪魔をするでない!」
「キラ! お父様をとめて!」
「失礼します」
ギャリィィィン!!
さすが! 危なかった!
「なにするんじゃキラ! わしをとめるなど許されると思っておるのか!」
激昂する王様に対してキラはにこやかに
「王女様より王の暴走はとめてもいいと許可をいただいておりますので」
あ、そっか。周知の事実だからそういう対策がとれるのか。
「むぅ。ルーリア、お前はこの不届き者を許していいのか!?」
あ、姫様の名前ルーリアっていうのか。
「いえ、お父様。私は彼になにもされてはいません。むしろ私が彼に粗相を働いてしまったのです。お父様、あの方に謝ってください」
「え、いや、わしはなにも……」
「お父様?」
「い、いや、すまんかった。わしの勘違いじゃったようじゃ。許してくれ」
ま、まあ実害はなかったし……。
「そこで許していいんですかリブレさん。僕はかなり怖かったですよ」
あ、レイン。お前どこにいたんだ。
「リブレさんの裏に隠れてました」
俺を盾にしてたのかよ! 道理で姿が見えなかったわけだ。
「改めましてこの城の姫、【
いやまあそれはいいんだけどさ……。
「自分で【暴走姫】とか言うの恥ずかしくないの?」
すると姫の顔がボッと赤くなった。
「そ、そんなことはありません! 二つ名を持つことは名誉あることですしっ!」
うん。恥ずかしいのか。
「おのれ貴様また娘にいらんことを言いよってから!」
「はいはい、王様。落ち着きましょう」
あ、ごめんキラ。また抑えなきゃいけなくさせたな。
「なんでリブレさんはそう人を煽っていくんですか」
「いや人は選んでるって」
「選んでそれなのが問題なんですよ」
確かに。
「それで? 本当にきさっ…まじゃない、おぬしが
「あ、はい。このレインと協力してですけど」
「む、その子はエルフじゃな? 珍しいのぉ。人間とエルフの二人パーティーとは」
「まあいろいろありまして」
「それで。おぬしはレベル1というのは本当か」
「あ、あの猪を倒したおかげでレベル2になってました」
「そっちのエルフの子は?」
「あ、僕は5だったのが7になりました」
「ふむ……」
なんだ? なんの確認だ?
「そのレベルでその功績は二つ名候補になるのじゃが……」
え。
「ちょっと待ってください。その程度でですか?」
「その程度とはなんだ。多くのものはお前くらいにはレベル10を超えているものだ。それでも地下級には届かないということを考えれば当然だろう」
そうなのか……。
「じゃがその実力をここの誰も見てはおらん。二つ名のつけようもない。そこでだ。このキラをお前たちのパーティーに加え、二つ名の審査のような形にしたいのじゃがどうじゃ?」
二つ名いらないんだけどなー。
「もし断るとどうなります?」
「危険な行動をしないかどうか見張りがつくようになるじゃろうな」
「よし、キラ。俺らと一緒に来てくれ」
まあ実力があるやつを野放しにはできないってことか。
「で? その審査とやらはどうやってやるんだ?」
「話が早くて助かる。3人で迷宮に潜ってもらい、その迷宮主を倒してもらいたい。その活躍により判断することとしよう。なに、キラがついて居れば死ぬことはあるまい」
「よろしくね。リブレ」
まあ知り合いだったことだけが救いか……。
そうしてキラが仲間に加わり家に帰ろうと王城を歩いていると、
「キラー!!」
向こうから二人の女性が走ってくる。
二人とも傾向が異なった美人だ。さすがだな。
「リブレ君。違うからね?」
あ、そうなの?
「なに!? あんたたち! キラ様とどういう関係!?」
そのうちの片方がめちゃくちゃ詰問してくる。
いやこれはそういうことじゃねーの? 巻き込むなよ……。
まずあんたら誰だよ……。
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