303 ▽終話

 聞こえるのは川のせせらぎ。

 木々がざわめく音。

 そして鳥の声。


 少女は目を覚ました。

 全身がずぶ濡れだった。


 どうやら自分はどこかの水辺に倒れているらしい。


 頭も体もあちこちが痛い。

 それに何故か、やたらと寒い。


 体が思うように動かない。

 自分がどんな格好で倒れているのかもわからない。

 ただハッキリしているのは、右手に握った柄の感触だけ。


 記憶が混乱していた。

 どうして、私はこんなところにいるのだろう。


 どうして、私は……

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